スーツ離れが進む中で絶好調! 「オーダースーツSADA」強さの秘密と今後のねらい
来店は新規7割、リピート率は4割以上

前述のとおり、オーダースーツSADAは1万9800円~という価格が大きな武器だ。それを実現するポイントは大きく2つ。第1に、工場直販だ。スーツ業界では直販とうたいつつディーラーや商社が間に入る場合があるというが、同社では実際に1社も介在させていない。第2は自社工場の保有。生産拠点は宮城と中国河北省の2カ所にあり、中国の工場も100%子会社だ。
「自社海外生産のフルオーダースーツメーカーの最大手であり、このクオリティを、この値段で作って売れる会社は日本でうち以外にない。調べて比較してもらえればすぐわかる」と佐田氏は自信をのぞかせる。
来店客の割合は新規が7割、リピーターが3割。新規顧客の獲得を目指すWebマーケティング施策が見事に効果を発揮している。最初の購入から3年以内でのリピート率は4割以上。スーツを着る機会が減り、買い替えサイクルが長くなっているにもかかわらずだ。当然、5年以内ならリピート率はさらに高くなる、
新規とリピーターでは購入金額に約1万円の差があり、2着目はより上質な生地を選んだり、仕様にこだわったりするケースが多いという。まずはお試し価格の1万9800円(税抜)で購入する人も多いものの、全顧客を対象にすると平均購入単価は4万5000円。Webサイトの記事やコラムを読んで、ゼニアやロロ・ピアーナといったイタリアの高級服地を選ぶ人も増えているそうだ。