スーツ離れが進む中で絶好調! 「オーダースーツSADA」強さの秘密と今後のねらい
YouTubeの“バズる”動画で知名度アップ

SNSマーケティングでとくに力を入れたのはYouTubeで、2つのチャンネルを運営している。1つは『オーダースーツSADAチャンネル【公式】』だ。フルオーダースーツの敷居を下げ、身近に感じてもらえるように社員が企画立案・監修。オーダースーツSADAの公式イメージキャラクターである俳優がコントを繰り広げながら着こなし指南する動画を配信している。フォロワーはチャンネル開設から2年で10万人を突破した。
もう1つがスーツ姿の佐田氏自らが登山などさまざまなアクティビティにチャレンジする『さだ社長』だ。チャンネル開設は2007年。卸から小売への転換を決断し、会社の知名度を上げたいと思っていたところ、アメリカで成功した動画マーケティングの事例を知った。家庭用ミキサーを販売する会社の社長が自社商品をPRするYouTubeチャンネル『Will it Blend?』で、スマホやバスケットシューズなどがミキサーにかけられ、粉々に砕けていく様子は大きなインパクトがあった。そこで“バズる”動画による知名度アップを狙うことにした。
佐田氏の趣味は山登り。富士山がユネスコの世界遺産暫定リストに入った年(世界遺産登録は2013年)だったことから、スーツで富士登山にチャレンジした。「面白いことを1発やって話題になり、メディアに取り上げてもらえればいい」という程度の軽い気持ちだったが反響は大きく、全国紙に取り上げられ、テレビの経済情報番組にも出演した。結果的にシリーズ化して、チャンネル登録者数は4万人以上。現在はスーツでの日本百名山制覇に挑んでいる。
「この2つのYouTubeチャンネルが成功したおかげで、XやInstagramも伸びている」と話す。それが公式サイトのPVに反映されてフルオーダースーツの注文・購入につながっている。