スーツ離れが進む中で絶好調! 「オーダースーツSADA」強さの秘密と今後のねらい
ビジネスパーソンのスーツ離れが進み、市場が縮小傾向にある紳士服業界で異彩を放つ会社がある。オーダースーツSADA(東京都)だ。2024年7月期の売上高は過去最高の42億円を記録し、業績は絶好調だ。強さの裏には何があるのか。そして次のねらいは。 佐田展隆社長に、戦略と施策を聞いた。
過去最高の売上高をさらに更新する見込み

オーダースーツSADAはその社名のとおり、オーダースーツを専門に扱うアパレル企業だ。現在、全国に46店舗(2025年4月時点)を展開する。
コロナ禍ではリモートワークの浸透や外出需要の減少によって8店舗を閉店、売上も落ち込んだ。しかしその後業績は急回復し、24年7月期には過去最高となる42億円の売上を記録。25年7月期は「半期終了時点で売上高は前年同期から15%増となっている」(佐田氏)として、通期で最高記録をさらに更新する見込みだという。
佐田氏は「客数が増えているのに加え、高単価商品の販売が好調に推移している」と説明する。
なぜ、オーダースーツSADAは選ばれているのか。どういった戦略が奏功しているのか。
同社にとって転換点となったのがコロナ禍だ。外出頻度が減少する中、WebマーケティングとSEO対策に力を入れたことにより、公式Webサイトのアクセス数がコロナ禍前の10倍になったのだ。
佐田氏は成功要因を次のように分析する。「1つ目は自助努力。Webで情報収集する人が増える中、公式サイトをメディア化して読み応えのある記事やコラムを増やし、スーツに興味がある人を誘導して、われわれの声を伝えた。2つ目は単純にネームバリューが上がり、検索ボリュームが増えたこと。そして3つ目がオーダースーツに関心を持つ人が増えていること。それがいちばん大きい」