狙いはZ世代だけじゃない KDDIがeスポーツ施設に取り組む理由

2025/01/17 05:55
堀尾大悟
Pocket

イベント需要に支えられ、稼働率は70%以上

esports Style UENOイベント風景
イベント風景

オープンから10カ月以上を経過した「esports Style UENO」。目下の稼働状況は好調で「オープンして半年で、目標としていた稼働率50%を実現した。 ここ最近では稼働率70%となる月もある」と、同部 商品開発4グループ グループリーダーの林晃子氏は顔をほころばせる。

eスポーツ施設というと小規模スペースのeスポーツカフェが主流だが、それよりは大きな100人規模を収容できるキャパシティと、プロ仕様のゲーム機器、通信会社ならではのストレスフリーな通信環境などが支持されているようだ。

主な利用客は、eスポーツイベントを運営するイベンターなど、法人(toB)が中心だ。平日は企業向け、土日は一般向けのイベントで概ね埋まっており、「土日にイベントで訪れた方が、平日プライベートで再訪する流れもできている」(林氏)という。

施設を訪れるのはゲームをプレーする層だけではない。「推し活」の一環でプロのeスポーツ選手やゲームキャラクターのファンも数多く来店し、eスポーツの裾野の広さをうかがわせる。

また、ゲームタイトルやジャンルによって客層もさまざまで、FPS(First Person Shooter:プレーヤーの視点で場面が表示され、標的を打ち落とすシューティングゲーム)では若年層が中心だが、「STREET FIGHTER 6」など昔からある格闘技系ゲームでは30~40代の姿も目立つそうだ。

eスポーツの大会やイベントは、自宅で配信を視聴するというのがメーンの楽しみ方だ。だが、会場の熱気やファン同士の交流など、リアルでしか体験できない魅力がある。「選手やゲームタレントのコミュニティも盛況なので、オフラインイベントとしても活用してほしい」と林氏は期待を寄せる。

なお、肝心の課題である「au Style」への誘客についても、「ゲームを楽しんだ人が帰りにショップに立ち寄り、周辺機器の購入をしたり、新型携帯電話の予約をされるような流れが生まれている」(林氏)とポジティブな傾向が見られているようだ。

1 2 3 4

関連記事ランキング

まだデータがありません。

関連キーワードの記事を探す

© 2025 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態