狙いはZ世代だけじゃない KDDIがeスポーツ施設に取り組む理由

2025/01/17 05:55
堀尾大悟
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若年層を中心に絶大な人気を誇り、市場が急成長期にあるeスポーツ。「eスポーツ部」を設ける学校や企業も急速に増えている。かつての「ゲーム=悪」のイメージは薄まり、すっかり市民権を得たといえるだろう。

そのeスポーツへの追い風をとらえ、eスポーツ市場に参入する企業の動きも目立つ。中でも話題を集めているのが、通信大手のKDDI(東京都/髙橋誠社長)が20242月に東京・上野にオープンした「esports Style UENO」だ。携帯キャリア「au」や「UQ mobile」などで知られる同社がなぜeスポーツ市場に着目したのか。同施設を手掛けるキーパーソンに話を聞いた。

大会やイベントにも対応しうるハイスペック環境

esports Style UENOイベントエリア
イベントエリア

東京・上野駅を下車して徒歩数分。不忍通り、仲町通りの起点となる大きな交差点の一角に面するauの直営店「au Style UENO」に入店し、階段を上がると3階に「esports Style UENO」はある。

店内に入ると、まさにゲーム一色といった異空間だ。メーンフロアには所々にASUS社製の最新モデルのゲーミングPCとモニターが配備されている。正面のステージに設けられた7.2m×2mの巨大モニターは、最大10選手の対戦時の表情を投影できるという。

他にも同施設には、高速10Gbps固定回線を施設専用回線として導入するほか、プロゲーミングハウス同様のスペックで団体戦にも対応したゲーム室、テレビ局でも導入されている映像スイッチャーなど、eスポーツ大会やイベントにも対応可能な環境がフル装備されている。

esports Style UENOオペレーションルーム
オペレーションルーム

「10Gbpsの通信環境を含め、これだけの総合スペックを備えた eスポーツ施設は、都内ではなかなかない」と、KDDIパーソナル第1営業本部 営業推進統括2部 店舗推進2部 部長の砂金智彦氏は自信を見せる。平日の夕方以降や土日になると若年層を中心に多くのゲームファンが訪れ、とりわけゲームイベント時には店内は多くのファンで熱気に包まれる。時折、有名eスポーツ選手がふらっと立ち寄ることもあるという。

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