「塚田農場」の弁当がじわりと人気を集めている理由

2020/02/13 05:40
別冊「総菜イノベーション!」編集部

食材が持つ“ストーリー”を重視


 商品開発のコンセプトについて森尾社長は「弁当にはできる限り“ストーリー”が存在するものを入れるようにしている」と説明する。弁当に使う素材の多くは、塚田農場プラスが開拓した生産者から直接仕入れたもの。単においしい食材を探して使うのではなく、生産者の想いや塚田農場としてのこだわりが消費者に伝わるような弁当づくりを追求しているという。


 その好例が、「漁師とコラボして作った国産銀鮭弁当」だ(税込1000円)。その名のとおり、三陸エリアの若手漁師グループ「フィッシャーマン・ジャパン」とコラボ開発した商品で、森尾社長はじめ塚田農場プラスの担当者が直接現地を訪れ、メンバーと議論を重ねながら開発した。宮城県産のブランド鮭「銀王」をメーンのおかずに据えたほか、品質に問題ないにもかかわらず色味が悪いために廃棄されることも多かった、三陸産の昆布の根元部分を使った「昆布煮」も盛り込んだ。

「漁師とコラボして作った国産銀鮭弁当」(税込1000円)
「漁師とコラボして作った国産銀鮭弁当」(税込1000円)

 さらに今年1月に発売した「ロース生姜焼き弁当」(税込900円)は、旧知だった生産関係者から紹介を受け出会った、宮崎県産の「まるみ豚」を使用。弁当の掛け紙にはまるみ豚のロゴを大きくあしらい、その傍らに生産者の写真を掲載した。

 このように、“生産者の顔が見える”弁当を開発しているのも塚田農場プラスの特徴だ。単なる即食商品としてだけではなく、生産者のこだわりや日本全国の魅力ある食材を発信するツールとして弁当を位置づけているわけである。森尾社長は「生産者がこだわり抜いて生み出した食材は全国にたくさん存在する。その魅力を少しでも世の中に知ってもらえるよう、生産者の方と一緒になってアピールしていきたい」と力を込める。

塚田農場プラスの森尾太一社長
塚田農場プラスの森尾太一社長

 塚田農場プラスは今後、弁当だけでなく総菜の開発・販売についても検討していく考えだ。「食に関するニーズはますます多様化し、外食と中食の垣根はどんどんシームレスになっていく。そんななかで、これまでの業界の常識に縛られてしまってはイノベーションは起きない。塚田農場プラスとしては、中食マーケットそのものを一歩前進させるようなことをしていきた
い」と森尾社長は抱負を語る。

 

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