お客さまや社会課題の解決に資する価値創造型企業をめざす!=J-オイルミルズ社長八馬 史尚

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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社会課題の解決と利益拡大の両立を図る

──次に、業務用製品におけるマーケティング戦略について教えてください。

八馬 業務用市場では、「長調得徳®」や「J‐OILPRO® -プロのための調味油- 」、「ごはんのためのこめ油(炊飯用)」の提案を強化していきます。「長調得徳®」は一般的な油に比べて長持ちする油で、たとえば、従来なら4日に1回替えていた油を、5日に1回の切り替えで済むことから、オペレーションの効率化や年間の人件費削減に大きく寄与できます。

 また、「J‐OILPRO®-プロのための調味油-」はひと味違うメニューも簡単につくれるので、プロの調理人を確保できなくても、パートさんでも本格的な味付けができます。人手不足や生産性の向上が求められる環境下において、こうした商品はお役立ちできるものと思いますので、もっとアピールしていきたいですね。

 19年9月に発売した「ごはんのためのこめ油(炊飯用)」も同様です。米の一粒一粒を油でコーティングすることで釜へのこびりつきを抑え、食品ロスと作業効率向上に寄与します。

──中食市場が拡大するなか、ユーザーの課題に応えた商品が揃っています。

八馬 最近では食感改良材としてのスターチにも力を入れています。中食と外食の決定的な違いは“出来たてを提供できない”ことです。時間が経つとパサパサになる、あるいはべちゃべちゃになる。こうした食品中の水の移動に伴う離水・保水の問題に対して、スターチは水も油も両方吸えるという特殊な機能によって貢献でき、小売業のお客さまから評価いただいています。廃棄ロスやフードロス、欠品リスクの削減にもつながるため、油のみならずスターチなども合わせて総合的な提案を強化していきたいと考えています。

──成長が期待されるマーケットに対してきっちりと対応しているわけですね。

八馬 小売店さまとのコミュニケーションのおかげです。18年7月に東京・八丁堀に複合型プレゼンテーション施設の「おいしさデザイン工房®」を設立しましたが、その成果が現れています。ここは当社の企業理念である「おいしさデザイン®」をめざすための活動拠点ですが、自社製品はもとより、ときには社外の技術も取り込みながら、小売店さまにとって最適なソリューションを探す場となっています。これまで培ってきた知見やノウハウをもとに、「あぶら」が持つ付加価値機能の徹底した追求と強みの掛け算によって、新たな価値の創造をめざしていきたいと考えています。

──最後に、今後の展望を聞かせてください。

八馬 家庭用、業務用の両面において一つひとつの施策をきちんと丁寧にやっていきながら、小売店さまの売上と利益に貢献したいと考えています。そして、国内で培ったソリューションを、タイをはじめとしたASEANで展開し、持続的な成長をめざします。

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