沈まぬアパレルその3 “ポストユニクロ”の最有力候補、ワークマン

森田俊一(流通ジャーナリスト)
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快進撃が続くワークマン(東京都)。2019年9月末の総店舗数は848店と「ユニクロ」を上回り、2020年3月期のチェーン全店売上高は1000億円を超える見通しだ。本稿執筆時点の株価は1万円台を突破し、時価総額は8000億円に到達。ローソン(東京都)や日本マクドナルドホールディングス(東京都)を上回った。“ポストユニクロ”と名高いワークマンは、今後も成長を続けることができるのか。

ワークマン

5年間で売上が倍増!

 ワークマンの成長スピードは、まさに破竹の勢いだ。15年3月期のチェーン売上高は484億円、20年3月期の通期業績予想では1035億円を見込んでおり、5年間で売上高を倍増させることになる。

 同社はなぜ、これほどの勢いで成長したのか。筆者は、「機能性衣料」というアパレル業界のトレンドという追い風が吹く中で、インフルエンサーを活用したマーケティングがうまく機能したことがワークマン急成長の要因ではないかとみている。

 ユニクロの「ヒートテック」が売れたり、しまむらの「裏地あったかパンツ」が空前にヒット商品となったりしたことからも分かるように、衣料品業界では「機能性」というトレンドが続いている。そうしたなかで、工事現場や倉庫、調理場といった作業の“現場”で鍛えられたワークマンの商品に、ついにスポットが当たった格好だ。

 ワークマンの現在の成長エンジンとなっているのは、一般消費者向けの機能性商品を集めた新型店「ワークマンプラス」である。これまでのワークマンは、言葉通りの「作業服専門店チェーン」であり、「ワークマン」業態を主力に店舗を展開してきた。

 だが、「ワークマン」「ワークマンプラス」ともに、プライベートブランド(PB)が増え、一般消費者向けに商品の改良を進めているという進化はあるものの、店頭に並んでいる商品は従前とあまり変わらない。単純に言えば、商品の見せ方を変えたのである。

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株価は1万円台に
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