第6回 創業時より社会問題とビジネスをつなげてきたSDGsの先進企業=サラヤ

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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ウガンダの衛生向上に貢献する活動を10年

手洗い普及事業に取り組む
ビジネスの手法を活用しながら、手洗い普及事業に取り組み、途上国の衛生に貢献する

 サラヤのSDGsに対応した取り組みは、ボルネオの環境保全活動だけにとどまらない。創立60周年記念事業として始まったアフリカ・ウガンダの「100万人の手洗いプロジェクト」や「病院で手の消毒100%プロジェクト」、日本初のカロリーゼロ甘味料「ラカントS」を通じた「日本IDDMネットワーク」への協賛なども挙げられる。

 前者は、09年より日本ユニセフ協会とタッグを組んで始めたもので、命を守るための手洗い・手の消毒普及事業だが、戦後の日本で衛生習慣を広げてきたサラヤだからこそできる活動といえる。しかも、「病院で手の消毒100%プロジェクト」においては持続可能な取り組みにするために、現地で手指消毒剤を製造・販売する会社を14年に設立。感染対策の重要性を啓発して広げながら、雇用も生まれる。これが普及すれば、院内感染が減り、死亡率も低くなる。ビジネスにつなげることで、予防可能な感染症からアフリカの人々を永続的に守ることができるというわけだ。

 後者は、1型糖尿病に苦しむ人々を救うための取り組みであり、日本IDDMネットワークと連携。糖尿病予防・治療の研究助成をはじめ、患者と家族をサポートする活動に協賛している。

 こうした持続可能な社会の実現に向けた企業活動は、商品のコストアップを伴うため、継続していくには消費者や小売業の理解・協力が不可欠だ。しかしながら、「SDGs」や「エシカル消費」という言葉が知れ渡るにつれ、自分たちが使うものや購入するものの背景を知って選択したいと考える消費者も現れ始めている。

 そうしたニーズに応えていくためにも、サラヤでは今後もSDGsにコミットしていく考えだ。

 

本特集は以上です。第1回から第5回まではコチラをご覧ください。

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