東京23区内で怒涛の出店 オーケーの都市型MDの進化が止まらない!

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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主通路沿いでフランス
直輸入のマカロンを提案

 そのほか、立地を問わず最近オーケーが販売に力を注いでいるのが、独自商品と冷凍食品だ。
 独自商品では、食品メーカーと連携した商品や、オーケー直輸入の商品を、売場の目立つ場所で訴求している。住吉店では開店日、ニチレイフーズ(東京都)と共同開発した630gの大容量チャーハン(281円)やフランス直輸入のマカロン(6種×2個入1166円)を主通路上で試食販売していた。
 前者は、ナショナルブランドと同品質のチャーハンをオーケーならではの低価格とボリュームで、後者は百貨店で扱うような高品質のスイーツを直輸入することで低価格で提供している。今後もこうした独自商品の開発を進めて他社との差別化につなげる考えだ。

開店日ニチレイフーズ(東京都)と共同開発した630gの大容量チャーハン
ニチレイフーズ(東京都)と共同開発した630gの大容量チャーハン
フランス直輸入のマカロン(6種×2個入1166円)
フランス直輸入のマカロン(6種×2個入1166円)

製法にこだわる商品を
冷凍食品で販売する

 冷凍食品では、生鮮素材のほか、こだわり商品も積極的に導入している。グロサリー本部長の本田淳氏は「冷凍食品は伸長カテゴリーであり、賞味期限が長いため販売側にとってもロスを低減できるというメリットがある。そうした利点をいかし、製法にこだわるパンや和洋菓子などの冷凍商品を積極的に増やしていきたい」と述べている。

冷凍食品のパンコーナー。フランスパンやイタリアでは定番のパン「チャバタ」も揃える
冷凍食品のパンコーナー。フランスパンやイタリアでは定番のパン「チャバタ」も揃える
冷凍食品の和菓子売場。今度さらに商品数を増やして売場の訴求力を高めていく考えだ
冷凍食品の和菓子売場。今後さらに商品数を増やして売場の訴求力を高めていく考えだ

都市型店の運営ノウハウを構築
年間10店ペースで新規出店

 このように競争激しい東京23区内で積極出店を続けるなか、簡便商品や品質にこだわりながらも低価格を訴求する商品を拡充し、MDを進化させているオーケー。二宮社長は「人口が密集する都市部であれば、300坪ほどあれば十分な売上を出せる店づくりが可能。東京23区内へ出店を進めるなか、小型店でも大型店並みの利益効率で運営できるノウハウも蓄積されつつある」と語っている。
 20年3月期は物流センターの稼働などもあり新規出店数は6店にとどまる予定だが、21年3月期は東京23区内を含めて再び10店以上の出店をしていく考えだ。競合各社は同社の店づくりがこれまでと変わりつつあることも念頭に置き対策を講じる必要があるだろう。

【オーケー住吉店 概要】
所在地  東京都墨田区江東橋5-5-3  ビエラ江東橋1階
電話番号 03-5669-0084
開店日  2019年11月27日
営業時間 8:30~21:30
売場面積 347.57坪
年商目標 非公表

 

 

記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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