ソフトバンク、ヤフーの新流通革命3 「孫正義の参謀」が明かす、孫が仕掛ける流通「天下三分の計」とは!?

2019/12/03 06:00
構成=ダイヤモンド・チェーンストア編集部

「ソフトバンク、ヤフーの新流通革命」オンライン特別編集版、第3回。流通業界において、ソフトバンクグループ(東京都:以下、SBG)の孫正義会長兼社長を頂点とする“ソフトバンク陣営”の存在感が大きくなってきている。グループを率いて流通業界に莫大な投資をする孫正義氏はどのような戦略を描いているのだろうか。孫正義氏の側近として長年活躍し、「孫正義の参謀」と呼ばれた元ソフトバンク社長室長の嶋聡氏に聞いた(第4回は12月4日公開)。

国内EC競争は 「三国志」の様相に

 ソフトバンクグループは「情報革命で人々を幸せに」という経営理念のもと、パラダイムシフトを予測し、その流れに沿って成長してきた。90年代後半から2000年代に初頭かけて起こった「IT革命」の際は、米国のヤフー・インク(Yahoo! Inc)や中国の阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディングス:以下、アリババ)などに出資し、広告業や小売業のあり方を大きく変えた。00年代後半からの「モバイル革命」においては、ボーダフォン日本法人を買収、スマートフォンの普及を通じて人々のライフスタイルに変化をもたらした。

 そして、10年代後半以降の「AI革命」では、「AIがすべての産業を再定義する」というビジョンのもと、大規模私募ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を16年に設立。流通を含めたさまざまな産業を対象に、デジタルトランスフォーメーション(DX)をもたらすスタートアップ企業への投資を進めている。

 数ある産業の中でも、アジアを中心に今後も市場成長が期待される産業のひとつがEC(Eコマース)である。

 アジアのEC市場は30億人規模に上ると言われている。このマーケットでシェアを獲得するべく、ソフトバンクは先述のアリババのほか、インドのスナップディール(Snapdeal)、インドネシアのトコペディア(Tokopedia)といったアジア主要国のEC企業に出資し、筆頭株主となっている。

 もちろん日本も、ソフトバンクにとって重要な市場のひとつであることは間違いない。傘下のZホールディングス(当時のヤフー、東京都/川邊健太郎社長)が19年11月にZOZO(千葉県/澤田宏太郎社長)を買収するなど、日本のEC市場への関与を強めている。

 注目したいのが、ZホールディングスのZOZO買収によって、日本のEC市場はアマゾン・ドット・コム(Amazon.com:以下、アマゾン)と楽天(東京都/三木谷浩史社長)、そしてソフトバンク陣営の三者による「三国志」の様相となっている点だ。アマゾンの利用者数が約5000万人、楽天の利用者数が約4800万人である(19年4月時点)のに対して、Zホールディングス傘下のヤフー(東京都/川邊健太郎社長)とZOZOとを合わせた利用者数は約2880万人。先行する2社をソフトバンク陣営が追いかける格好だ。

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