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サミット、3年で売上600億円増、実質過去最高益めざす新中計の中身と戦略、課題とは

2023年で創業60周年を迎えたサミット(東京都/服部哲也社長)。同社はその節目となる今期(24年3月期)から3カ年の新しい中期経営計画を発表した。4月下旬、サミットが都内ホテルにて、取引先やメディア向けに開催した新・中計の方針説明会で明らかにしたその内容をレポートする。

4月下旬、サミットが都内ホテルにて開催した方針説明会の様子

コロナ禍を経て組織文化に手応え

 まず近年のサミットの施策を振り返ると、23年3月期までの3カ年中計では「GO GREEN 2022~社会に必要とされる新しいSMの創造~」(以下、GG2022)をテーマに掲げた。これは、事業を通じて社会貢献も同時に果たすことで、地域で必要とされる存在をめざすというもの。こうした考えを基に「生きる糧(かて)を分かち合う店」という、サミットがめざすべき店のビジョンも生まれた。サステナビリティを成長戦略の主軸に据えたことや、目標の業績数値は設定せず、今までの食品スーパー(SM)にない新たな挑戦を行うことに重きを置いた点などが、業界でも注目を集めた。

サミットの服部哲也社長

 同中計の初年度である21年3月期には、新型コロナウイルス感染拡大が発生。サミットが特徴とするチラシ販促や、顧客との対面でのコミュニケーションなどに制約が出たものの、服部哲也社長は「制約があったからこそ、サミットの方針を達成するために『自分たちには何ができるか』を店舗ごとや従業員一人ひとりが考えて行動できる組織づくりを進めることができた」と話す。

 それを象徴する事例の1つが、コロナ禍で始めた「はじめてのおかいもの」企画だ。1人での買物を経験したことのない幼い子供が、買物リストを手に、商品の購入、袋詰めまでをサミットの店舗で体験できるという内容で、ある店舗からのアイデアで始まったものだ。これが好評だったため社内共有システムで情報をシェアしたところ、他店にも広がり、「はじめてのレジ打ち」「はじめての販売体験」など派生企画も実施した。

 このように店舗発のアイデアから生まれた好事例をサミットでは、

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