ファストリ、MUJINらと提携で物流倉庫の自動化に弾み 最終目標は“企画から最短10日で店頭に届く”

2019/11/15 13:10
大宮弓絵(『ダイヤモンド・チェーンストア』誌)

カジュアル衣料品専門店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(山口県/柳井正会長兼社長)が、現在進めるサプライチェーン改革の実現に向けて、新たに2社の「戦略的グローバルパートナーシップ」の提携企業を発表した。アパレル業界では難しいとされてきた機械による衣料品のピッキングを実現させ、国内外の物流倉庫の自動化を進める。

ファーストリテイリングの柳井正社長(中央)、上席執行役員の神保拓也氏(左)、ダイフクの下代博社長(右から2番目)、MUJINの滝野一征社長(左から2番目)、ExotecのRomen Moulin CEO(右)
ファーストリテイリングの柳井正社長(中央)、上席執行役員の神保拓也氏(左)、ダイフクの下代博社長(右から2番目)、MUJINの滝野一征社長(左から2番目)、ExotecのRomen Moulin CEO(右)

国内外で提携先を拡大
サプライチェーンを高速化

 ファーストリテイリングは現在「情報製造小売業」への転換を掲げている。これは、顧客データを商品の販売計画から企画、製造まですべての生産プロセスに迅速に反映させ、消費者ニーズに応じた商品を、適正な時期に、適正な価格を適正量提供できる企業をめざすというものだ。
 その実現のために同社は17年2月、東京都・有明にある物流倉庫の6階に本部を移設し新オフィス「UNIQLO CITY TOKYO」をオープン。物流センターと本部機能を集約しサプライチェーンのスピードを高速化させる「有明プロジェクト」を本格始動し全社を挙げて取り組んでいる。

 同プロジェクトのなかでも大きく前進させているのが同社の物流改革だ。18年10月にマテリアルハンドリングシステムで世界トップクラスの技術を有するダイフク(大阪府/下代博社長)と、国内外のファーストリテイリングの倉庫の自動化に向けて中長期的・包括的に手を組む「戦略的グローバルパートナーシップ」を構築する合意書を締結。同社の最新の自動化機器・システムを導入して有明倉庫をEC専用倉庫としてフル稼働し、商品の搬入、仕分け、運搬、保管などを無人かつ迅速に行える体制を構築している。

「有明プロジェクト」の中枢であるファーストリテイリングの有明本部
「有明プロジェクト」の中枢であるファーストリテイリングの有明本部(東京都江東区)

AI搭載コントローラーで
多品種、多素材に対応

 そして今回、物流改革における新たなパートナーシップ企業として発表されたのが、産業用ロボットのコントーラー製造業のMUJIN(東京都/滝野一征社長)と、倉庫内での無人商品管理を手掛けるフランスのExotec Solutions SAS(Romen Moulin CEO:以下、Exotec)である。ダイフクに加えてこの2社の技術を導入することで、倉庫の自動化をさらに進めるという。ファーストリテイリングの柳井正社長は「2社ともまだあまり知られていないが今後間違いなく急成長する企業」と説明する。

 なかでもMUJINとの提携で実現させるのがピッキング作業の自動化だ。
 衣料品のピッキング作業は、類似品が多く個体の識別が難しい、季節ごとに商品が代わってしまう、素材が柔らかいため商品を掴みにくいなどの理由から、機械による自動化が難しいとされてきた。これをMUJINのAIを搭載したロボットコントローラーを導入することで、多品種・多素材に対応できるアパレル用のピースピッキングロボット(ピース単位で自動ピッキングするロボット)を開発し可能にする。「一部ではなく、ほとんどの衣料商品のピッキング作業を自動化させるのは世界でも先進的な取り組み」(同社広報)だそうで、これが実現すれば、倉庫内のほとんどの作業を無人化できるという。

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