百貨店売上高ランキング2019! 三越伊勢丹も髙島屋も…インバウンド頼みどこまで続く?

小野 貴之 (ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長)
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地方百貨店の“侵食”が始まる?!

百貨店売上高ランキング(2019) 単位:100万円、% ※単体ベース 出所:『ダイヤモンド・チェーンストア』

順位 社名 売上高 増減 当期純利益 増減 決算期 本部
1 髙島屋 729,198 0.6 10,441 20.8 2019/2 大阪
2 大丸松坂屋百貨店 680,428 1.1 17,364 3.0 2019/2 東京
3 三越伊勢丹 659,736 ▲ 2.1 22,354 1289.3 2019/3 東京
4 そごう・西武 615,256 ▲ 10.3 336 2019/2 東京
5 阪急阪神百貨店 452,273 1.2 9,453 ▲ 15.3 2019/3 大阪
6 近鉄百貨店 261,536 0.9 4,290 432.9 2019/2 大阪
7 東急百貨店 190,662 ▲ 1.8 157 141.5 2019/1 東京
8 ジェイアール東海髙島屋 143,518 2.3 3,468 1.7 2019/2 愛知
9 東武百貨店 139,678 ▲ 0.3 1,516 49.1 2019/2 東京
10 小田急百貨店 136,987 ▲ 5.2 1,995 2019/2 東京

 ランキング1位は髙島屋(大阪府)で、2019年2月期の売上高は7291億円(対前期比0.6%増)と微増し、前年に続き首位を維持した。免税売上高が同12%増となる547億円に上り、インバウンド消費の恩恵を大きく受けた格好だ。

 2位はJ.フロントリテイリング(東京都)傘下の大丸松坂屋百貨店(東京都)で、19年2月期の売上高は同1.1%増の6804億円。同社も免税売上高が同22.9%増の588億円と急増している。

 3位は三越伊勢丹(東京都)で、19年3月期の売上高は6597億円で同2.1%減となった。同社は不採算店の整理を進めており、18年3月に「伊勢丹松戸店」を閉店。20年3月期についても3店舗の閉鎖を発表している。

 4位はセブン&アイ・ホールディングス(東京都)グループのそごう・西武(東京都)だ。同社の19年2月期の売上高は同10.3%減の6152億円と2ケタ減収。上位企業のなかでもとくに厳しい結果となった。西武船橋店の閉鎖やそごう神戸店・高槻店の譲渡、既存店売上高の低迷などが要因だ。

 5位はエイチ・ツー・オーリテイリング(大阪府)傘下の阪急阪神百貨店(大阪府)で、2019年3月期の売上高は同1.2%増の4522億円。都市部の店舗でインバウンド消費を取り込んだことで増収となった。

 業界全体に閉塞感が漂う中、新たな動きも出始めている。その1つが、カジュアル衣料のストライプインターナショナル(岡山県)とソフトバンクの合弁会社であるストライプデパートメント(東京都)が19年9月にリリースした、百貨店向けのEC代行運営サービス「DaaS(Department EC as a Service:ダース)」だ。

 同サービスがメーンのターゲットに据えるのは、地方百貨店。前述の通り、地方百貨店の経営環境は厳しさを増しており、自社EC立ち上げなど新規事業への投資金額を捻出しづらい状況となっている。DaaSを利用すれば、百貨店は初期投資なしで自社ECを立ち上げることができる。ストライプデパートメントとしては、百貨店が保有する優良な顧客基盤を手に入れたいという思惑がある。

 ストライプデパートメントではDaaSの第一弾として、大分県地盤のトキハと金沢・富山で店舗展開している大和(石川県)と業務提携を締結しており、それぞれの百貨店の屋号を冠したECをすでにスタートさせている(トキハ、大和とも最新期の当期純利益は大幅な赤字)。ストライプデパートメントによれば、今後も地方百貨店のDaaS参画が目白押しだという。百貨店各社が業績改善に向けた手立てを自力で見いだせないなかでは、このような他業態による百貨店の“侵食”が増えていきそうだ。

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