ハローデイ加治敬通社長が「アメリカのスーパーを手本にするのはベストではなくなった」と考える理由

2019/09/30 05:15
ダイヤモンド・チェーンストア編集部

多様な食を体験する研修

──「自ら考え行動する企業風土」づくりを進める理由は何ですか。

加治 当社は長い間、アメリカのホールフーズマーケット、ウェグマンズといった高質SMを参考にして業績を伸ばしてきました。

 しかし現在、日本の人口は減少、つまり食品マーケットが縮小を続けており、今も人口が増えるアメリカを手本にし続けるのはベストとは言えません。

 また今後、ビジネスを取り巻く環境を予想するのは難しくなっています。従来は、社長の考えた戦略を従業員が実行する、「トップダウン型」の経営で事業を伸ばすことができました。しかし今後、起こるであろう事象が不確実な時代にあっては、皆がそれぞれ考え、「行動する組織」こそが生き残れる企業だと考えるからです。

──具体的には、どのような施策を行いますか。

加治 3年前から、「コロンブスプロジェクト」という研修プログラムをスタートしています。

 年間3000万円の予算を計上し、国内外の各地を回って多様な食を体験、ビジネスのヒントを得て、戦略立案能力を育成するという内容です。

 以前から店舗の改善活動を実施しており、その発表の場として定期的に開く大会で優秀チームに選ばれた従業員が研修に参加します。各地で得たヒントや刺激、題材などをもとに研修後、店舗では「北海道フェア」「長野フェア」など、物産展のような企画を実施するのですが、毎回どこも素晴らしい売場をつくっています。それを見た他店の従業員が、「私たちもコロンブスプロジェクトに参加したい」と、意欲的な雰囲気の輪が広がっています。

──楽しそうなプロジェクトですね。

加治 いえ、これはあくまで研修であり、ときには厳しく叱ることもあります。参加している間は、少しの時間もムダにせず情報を収集し、考える習慣を身に付けてほしいのです。

 たとえ飛行機に乗っている間でも、お土産用カタログを見て感じ、考えられることがあるはず。その習慣を身に付けることが、難しい時代の波を乗り切る重要なキーになります。そのため、抜き打ちで「飛行機に乗っていた間、どんな新しい発見があった? 何をしていた?」というように質問を参加者全員にし、緊張感を持たせています。

 研修は、今年で4年目に入り、従業員の発想、行動は大きく変化してきたと感じています。企業にとって最も大切な人財を生かし、新たな戦略を実行していく考えです。

研修プログラム
3年前からスタートした「コロンブスプロジェクト」。「自ら考え行動する企業風土」を醸成するための研修プログラムだ

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