スーパーの鮮魚売場を活性化させる、新しい鮮魚の提案方法とは!?

2019/09/06 05:20
    兵藤雄之
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    魚種ごとの食べ合わせがわかるアプリも開発

     実はこのプロジェクトには手本となっている活動がある。アメリカのモントレー水族館が、水産資源の持続可能性を「赤」、「黄」、「緑」の3色に分けて、格付けしている「シーフードウォッチ(Seafood Watch)」(https://www.seafoodwatch.org/)だ。

     「赤」は「回避(avoid)」。乱獲で資源量が問題となっている魚介類で、漁獲法は他の海洋生物にも悪影響を及ぼしていることを示す。「黄」は「グッドチョイス(good alternative)」。持続可能性は改善されつつも一部に懸案されるべき資源量や漁獲法が残っていることを意味している。「緑」は「ベストチョイス(best choice)」。資源量が豊富で、環境に配慮した漁獲法で獲られているもの。

     ただこの「シーフードウォッチ」はアメリカのモントレー水族館という一水族館が格付けを行っているもので、あくまでも米国規格に基づくものだ。

    「すべてを鵜呑みにしてしまうと、2000年以上脈々と受け継がれている、環境にやさしい日本の伝統的な漁業、漁法が成り立たなくなる。SHUNプロジェクトは、水産業の持続的可能性を示す日本からの提案でもある」(同)

     SHUNプロジェクトでは、こうした取り組みを身近に感じてもらうために、子どもから楽しめるスマホアプリ(タブレットでも可)をリリースしている(iOS 9.0以降、Android4.1以上)。現在のところ、「住んでいる場所に合せた、いまおすすめの魚」「魚種ごとの食べごろ予報」「資源状態について」「魚ごとの特徴、トリビア」などがわかる内容になっているが、さらに充実させていく予定だという。

     プライドフィッシュにしても、SHUNプロジェクトにしても、スマホやWebで楽しんでいるだけでは、なかなかその取り組みの意義は広がらない。鮮魚を扱う売場と一体となった情報発信こそが、環境にやさしい漁業の持続と、おいしい魚を食べることにつながると思うのだが、いかがだろう。

     

     

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