10月の増税後、約3分の2の人がポイント還元の有無で店を選ぶように

2019/09/05 04:55
稲垣昌宏=リクルートライフスタイル「ホットペッパーグルメ外食総研」上席研究員
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約3割が入店前に
ポイント還元に関してチェック

 次に、ポイント還元が始まる10月1日以降に外食をする際に気にすることについて、「店を決める前」「飲食店に入る直前」「飲食店に入ってから、または会計時」の3つのタイミング別に聞いた。

 まず、「外食をする際に気にすることはあるか」という問いについては、最多の回答は「気にすることはない」で34.1%だった。これはポイント還元が始まっても、とくにそれを意識せずに外食する人の数値になる。言い換えれば、3人に2人程度は10月1日以降、外食をする際に「何かしら気にすることがある」ということになる。

 具体的に気にする内容を見ると、「店を決める前」に「(どの支払い方法であればどれくらいポイントが還元されるか)支払い方法ごとの違いを調べる」(32.1%)、「店に入る直前」に「自分の支払い方法でポイント還元されるかどうかを確認する」(32.0%)、「ポイント還元がある店かどうかを確認する」(31.1%)について、全体の3割を超える人が該当すると答えている。該当率が高かったのはいずれも店に入る以前のことであり、つまりポイント還元の状況によってその店の利用自体に影響を与える可能性があるということだ。店側は入店前からポイント還元の状況がわかるような情報発信を意識する必要があるだろう。

ポイント還元が予定されている10月1日以降、外食をする際に気にすること
ポイント還元が予定されている10月1日以降、外食をする際に気にすること

女性へのアプローチが
利用拡大のカギ!

 外食店と小売店では多少の違いはあるかもしれないが、小売の店舗においても、おそらく消費者は類似の行動をとるのではなかろうか。
 最後に「ポイント還元を受けるために支払い手段を持っているか」についても聞いた。結果は、59.1%の人が対象となる支払い手段を「持っていると思う」と回答した。一方「分からない」が25.1%、「持っていないと思う」が15.9%で、合計で4割を超えた。性年代別では、20代女性では「持っていると思う」が50.5%と少なく、30~50代女性では「分からない」が3割以上と多かった。

 今後のポイント還元の告知対象として、女性への浸透がまさに「ポイント」になりそうだ。

調査概要:
インターネット調査、調査期間:2019年7月1日(月)~2019年7月9日(火)、有効回答数:10,118件(首都圏:5791件、関西圏:2781件、東海圏:1546件。各ウエィトバック後数値)

 

稲垣昌宏 リクルートライフスタイル「ホットペッパーグルメ外食総研」上席研究員

 

エイビーロード編集長、AB-ROAD.net編集長、エイビーロード・リサーチ・センター・センター長などを歴任し、2013年ホットペッパーグルメリサーチセンター・センター長に就任。市場調査などをベースに消費者動向から外食市場の動向を分析・予測する一方、観光に関する調査・研究、地域振興機関である「じゃらんリサーチセンター」研究員も兼務し「食」と「観光」をテーマに各種委員会活動や地方創生に関わる活動も行っている。肉より魚を好む、自称「魚食系男子」
https://www.hotpepper.jp/ggs/

 

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