マクドナルド完全復活を読み解くカギは、世界的な食品トレンド『クリーンラベル』だ!

2019/08/26 05:00
兵藤雄之

日本のファストフードの頂点に君臨していたマクドナルド。2014年7月、使用期限切れ鶏肉使用問題の発生を機に、マクドナルドから深刻な客離れが起こった。その当時、多くのメディアがマクドナルドの客離れを深刻と考え、復活には否定的な記事が数多くみられた。しかし、マクドナルドは現在44ヶ月連続で既存店プラスとなるなど往時の勢いを取り戻し、完全に事業を再成長モードに乗せた。

Photo by winhorse
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1店舗あたり年商は上場来最高の1500万円に!

 現在、マクドナルドは44カ月連続(19年7月時点。1512月~)で既存店売上対前年比プラスを続けている。18年度の全店売上高は、15年度比で約40%増の5242億円(前年比6.9%増)、1店舗当たりの平均月商は上場来最高の1500万円に達した。

 1988日に発表された1912月期第2四半期決算では、全店売上高は前年比4.4%増の2657億円、経常利益は上場来最高の152億円を稼いだ。1912月期の全店売上高は5510億円(前年比5.1%)を見込んでいる。

 マクドナルドはここまでの回復をどうやって成し遂げたのか。

 154月、同社では、「よりお客様にフォーカスしたアクション」「店舗投資の加速」「地域に特化したビジネスモデル」「コストと資源効率の改善」を4つの柱とするビジネスリカバリープランを発表した。

 18年からは、新たな成長のステージとして、20年度までの中期経営方針を公表。成長戦略として、「マクドナルドらしいおいしいメニューをお得感のある価格でご提供」「ファミリー層を中心にマクドナルドブランドを向上」「デジタル、デリバリー、未来型店舗体験のご提供」「新規出店を含む店舗ポートフォリオの最適化」、財務目標として「全店売上高年平均伸び率5%以上」「営業利益/経常利益年平均伸び率10%以上」「ROE10%以上」を掲げている。

 簡単に言えば、こうした取組みが効果をあげたということなのだが、特筆したいこととして、マクドナルドはオンラインオフラインを問わず、顧客とのコミュニケーションを強化してファン化を進めるとともに、情報開示を徹底し、信頼を取り戻す取り組みをひたむきに行っている。

 一例として専用アプリを通じたクーポンの発行、Twitterと「#」活用によるキャンペーンといったデジタル環境を利用した顧客とのつながり強化は、一定層には確実に響いている。

 また、期限切れ鶏肉使用問題以降、商品キャンペーン以外のニュースリリースが、毎月のようにWeb上にアップされている。

 たとえば「子どもたちの防犯のサポート」、「キッズスポーツ支援活動」、「安心・安全な商品を提供するための取組み」、顧客と店舗をつなぐアンケートシステム「マクドナルドKODO(コド)」、食の安全・安心について公開する「Mom’s Eye(ママズ・アイ・プロジェクト)」、「主要原料原産国・最終加工国情報、アレルギー情報、栄養情報の公開」、日本全国のお母さんたちと話し合う活動「タウンミーティング with ママ」、「食の安全サミット開催」、マクドナルドのオーダーメイド式キッチン「メイド・フォー・ユー」による食品ロス削減、高校生向けキャリア教育支援プログラム、“主婦向けクルー体験会”「クルーになろう。キャンペーン」、ハッピーセットのおもちゃリサイクル、「FSC認証」を取得したトレイマットの導入、「持続可能な社会の実現を目指して“プラスチックとの賢い付き合い方”を全国的に推進」等々、数え上げればきりがない。ひとつひとつに派手さはないが、全国に3000近くある店舗を通じてそうした取り組みや活動が発信されることを考えれば、消費者に対するその影響力は小さくない。

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世界的な食品トレンドの波にうまく乗ったマクドナルド!

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