キャッシュレス化が起こす創造的破壊! アマゾン銀行が誕生したら我々はどうなるのか!?

2019/07/14 05:15
『ダイヤモンド・チェーンストア』編集長 阿部幸治

預金、貸出、為替といった業務が、銀行の独占ではなくなりつつある

――日本有数の大手都市銀行が米国大手通販会社と資本提携の交渉を開始!?

 こんな見出しが新聞紙上に踊ったのは、この6月に最終回を迎えたTBSテレビドラマ『集団左遷』の一コマでした。劇中では、主人公の福山雅治さん演じる片岡洋が勤務する三友銀行が生き残りをかけ、米国大手ECサイトを運営するダイバーサーチと経営統合の道を模索したことが描かれました。

 米国大手通販会社というのは紛れもなく、あのアマゾン(Amazon.com)を示唆しています。ドラマでは同業との提携も他業界との提携の話もあまり見られないまま、ダイバーサーチとの経営統合ありきで進んだようで、見る人によっては、荒唐無稽な戦略だという印象も受けられたかもしれません。

 ところが、よくよく考えてみると、あながちありえないことではないことが、今までのアマゾンの動きを見ているとわかります。

 アマゾンは決済サービスの「アマゾンペイ」、法人向けの融資サービス「アマゾンレンディング」を提供していますし、6月には米・シンクロニー銀行と提携し、担保付きクレジットカード「アマゾン・クレジット・ビルダー」を新たに導入しました。これは通常のクレジットカードと違い、信用履歴を積む人向けのカードのことです。

 アマゾンは金融サービスの展開を進めることで、法人含む利用者を次々と囲い込む戦略を打ち出しているのです。

 その、アマゾンが金融事業に本格的に参入する必然性とそのシナリオを克明に予測しきったのが、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授が執筆した書籍『アマゾン銀行が誕生する日』(日経BP社刊)です。

 本書では、念頭に置くべき論点として、「金融とはDuplicate(疑似的に創造)できる」ものとし、「今まで銀行が独占していた預金、貸出、為替といった業務が、銀行の独占ではなくなりつつあります」と説明します。

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