髙島屋が中国・上海の店舗を8月に閉鎖、赤字から抜け出せず

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高島屋中国撤退
上海髙島屋は2012年に開業したが、家賃減額交渉が実らず撤退を決めた

 髙島屋は6月25日、中国・上海市にある上海髙島屋を8月25日で閉鎖すると発表した。2012年の開業以来、赤字が続いており、家賃減額交渉を進めていたが不調に終わった。

 現地法人の上海髙島屋百貨は清算する。清算の終了は21年頃までを想定しており、今後20億〜30億円の損失が発生する可能性がある。20年2月期の連結業績への影響は精査中。

 上海髙島屋の営業面積は約4万平方メートルで、現地のデベロッパーが開発した大型ビルにテナント出店している。業態間競争の激化で売り上げが当初計画に達しないなか、昨年来は米中貿易摩擦の長期化で個人消費も落ち込み、事業の改善が見込めないことから撤退を決めた。

 上海髙島屋の19年2月期の営業損益は8億6600万円の赤字、純資産は約35億円のマイナスで債務超過の状態だった。

 髙島屋は同日、デベロッパー子会社の東神開発が、ベトナム・ハノイ市で教育施設と商業・オフィスなどの複合開発プロジェクトに参加すると発表した。教育関連事業を展開する現地企業と協働で、不動産賃貸事業と学校運営事業に乗り出す。20年秋に幼稚園から高校までの一貫教育を行う学校を開設する。

 髙島屋は16年7月にベトナム・ホーチミン市に「ホーチミン髙島屋」をオープンしている。

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