第8回 部長と課長の「無責任な板挟み」に潰された一般社員

神南文弥(じんなん ぶんや)
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指揮命令系統を守り、時には上司が部下を配置換えすることも必要

 吉永は、無責任な管理職たちの犠牲になったとも言えよう。新天地での活躍を祈りたい。私は、次のような教訓を導いた。

こうすればよかった①
部長は、言うことを聞かない課長を他部署へ出すべきだった

 部長の黒沼は迷うまでもなく、課長・平間を異動させるべきだった。俗に言う「追い出し」である。どちらも無責任ではあるが、職位は黒沼が上である。平間の思いもわからないでもないが、やはり、課長は部長に従うべきだった。それをいつまでもしようとしないならば、とりあえずは他部署へ移らせるしかないだろう。

 ところが、黒沼はビビり、ひるんでしまい、言いやすい吉永に文句を言うことしか言えなかった。ここが、諸悪の原因ではないか。部長とは何ぞや、という意識がまるでなかったのだ。

こうすればよかった②
指揮命令系統を破たんさせてはいけない

 2人が壊したのは、部下だけではない。会社の生命線とも言える指揮命令系統もである。会社が会社であるのは、ヒエラルキーがあるからだ。本来は、社長や役員は、その根幹を成す生命線が破壊された事態を深刻に受け止め、双方に何らかのペナルティを与えるべきだったのではないか。そうしないと、組織が成立しないだろう。しかし、お咎めは何らない。ここに、この会社が伸び悩む一因があるように見える。厳しさがまるでないのだ。

 

神南文弥 (じんなん ぶんや) 
1970年、神奈川県川崎市生まれ。都内の信用金庫で20年近く勤務。支店の副支店長や本部の課長などを歴任。会社員としての将来に見切りをつけ、退職後、都内の税理士事務所に職員として勤務。現在、税理士になるべく猛勉強中。信用金庫在籍中に知り得た様々な会社の人事・労務の問題点を整理し、書籍などにすることを希望している。

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