ダイユーエイト、タイム、バローHCなどが大合従連衡 アレンザHD、HC業界10位の規模に

千田 直哉
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アレンザ、成長のための5つの戦略!

 20202月期の経営スローガンは「飛躍への挑戦~成長への基盤づくりから新たなステージへ~」。同時に経営方針も発表した。

 1つめは、「商品力、商品販売力の強化」。新商品や新カテゴリーの商品を拡充し、EDLP(エブリデー・ロー・プライス)を強化。棚割りシステム導入を検討し、接客サービスに注力するというものだ。

 2つめは、経営統合による「マスメリット」の追求だ。メーカーを統一し、共同仕入れ化を進め、粗利益率を対前期比1.2ポイント増の31.4%に改善を図る。また、バローホールディングスグループを活用した資材調達など店舗運営コストの一切合切を見直し、削減する。

 3つめは、「プライベートブランド(PB)商品の開発推進」である。マスメリットによる粗利益率の改善と商品の高付加価値化と品質向上を同時に進める。

 4つめは、「物流の効率化」。バローホールディングスグループとの共同利用を通じて、物流機能やエリア保管、物流の効率化、コスト削減に乗り出す。また、海外開発商品用にバローホールディングスグループと共同利用できる物流センター新設を検討する。

 5つめは、「経営(財務)指標の改善」だ。事業会社ごとに財務指標の目標を決めるとともに、キャッシュフロー改善に努める。

 同社が何よりも重視しているのは、バローホールディングスグループとのシナジー創出だ。アレンザホールディングスは、バローの食品PBHCの店内に導入したり、自社の持つ非食品のPBをバローに供給したりすることで既存店舗の強化を推進する。また、バローホールディングス傘下の事業会社でフィットネスクラブを展開するアクトスの事業にもフランチャージーとして参入し、「健康」軸の商品開発。店舗資材の共同調達や人財交流にも力を注いでいく。

 浅倉社長は、「HC業界はボーダーレス競争に直面しているが、HCらしい品揃え、売り方、サービスを強化したい。東北、東海、中国エリアのドミナント深耕を図る。同時に地域に根付いているローカルブランドの発掘育成にも取組み、約3割の商品は個店対応で差別化を進める。大商圏には専門性、小商圏には利便性を提供して、住まいと暮らしに関する『地域密着のライフライン』になりたい」と抱負を語った。 

 アレンザホールディングスの20202月期の連結業績予想は、営業収益1390億円(対前期比68.6%増)、営業利益32億円(同708.5%増)、経常利益35億円(同406.5%増)としており、仮にこの数字通りに推移すると、HCの売上高では10位にランクインすることになる。

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