今後3年で売上25%増を見込むLIXILビバ 成長ドライバーは“ブルーオーシャン”モール!

高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)
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驚異の空所率0.8%!
新たな成長源の「生活密着型」モール

 LIXILビバは3カ年で毎年7店舗、合計21店舗を出店する計画だ。この出店計画の特徴は、すべて大型店であることと、モールが多いことが挙げられる。なんと、21店舗中、10店舗がモールなのだ。

 同社は、大型フォーマットの「スーパービバホーム(SVH)」とSVHを核とするホームスタイルショッピングモール「ビバモール」の出店を強化している。圧倒的な品揃えとサービスを拡充することで、一般利用者だけでなく、プロ需要の拡大をめざしている。

 とくに注目したいのが、モール事業だ。

 「ビバモールは、既存のモールにはない領域です。今、小売業界ではモール間競争が激化していると言われているなか、14モールを運営しています。某小売大手のモールがわれわれの隣にきても、ちっとも売上が落ちませんでした」(渡邉社長)。

 このように渡邉社長はビバモールが既存のモールと異なるポジショニングであることを強調する。ファッション型でも、流行型でもない、「生活密着型」であるという。そのポジショニングが成功しているためか、KPIとしている空所率(テナントの空き率)は0.8%と驚異的に低い数字を叩き出している。

ビバモールのポジショニング
LIXILビバが力を入れるモール事業。他社が手掛けるモールとはポジショニングが違うため、ブルーオーシャンであることを渡邉社長は強調した

 さらに、ビバモールは売上だけでなく、営業利益にも大きく貢献していると強調。

 「モールはオープンしてすぐテナント収入が入るため、初年度から黒字になります。2年目以降は中核のSVHも黒字化するため、(営業)利益率も高いことが特徴です。こういったスケールのモールが年間3〜4店舗できます。これはインパクトが大きいです」(渡邉社長)。

 IPOから2年、LIXILビバは“宣言どおり”、上場で得た資金を積極投資に活用し、今期から成長速度を加速させる。

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記事執筆者

高浦佑介 / ダイヤモンド・ホームセンター編集長

2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月より現職。

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