意外に保守的?でもイマドキ! 令和元年の食トレンドはこうなる!

兵藤雄之
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 令和元年の消費トレンドはこれだ!

 続いて、2013年からの生活者マインドの変遷についてキーワードによる分析を試みている。

 2013年は「想い・団らん・緩む緊縮」。2011年の東日本大震災の影響により、人とのつながりやきずな(家族や身近なグループ)を大切にする集団的な考え方が主流になっていた。2015年になると「共感・高意識・承認欲求」。個人の心を満たす感動・驚き・発見を欲する一方で、SNSなどを通じて、他人の共感を求めるようになった。そして2017年は「多様・リベラル・魅せる」。好奇心をそそるアレンジ定番・見映え料理・食シーンなどに高揚・喜びを感じるようになり、投稿したい(魅せたい)という意識が強く現れるようになった。

 当日、会場に居合わせた担当者は「個人個人の多様性や自分らしさ、“自分でいいんだ”という意識が徐々に強くなっている」という見方をしている。

 最後は、いよいよ「2019年消費トレンド予測」だ。

 生活者マインドとして強く意識されるのが「原点回帰・保守・個性」だという。2019年は「ヒト」も「モノ」も、ありのままの価値が認められ、個性や本来のかたちを大切にする意識が強くなる。

「インスタやSNSによる共感、承認欲求が、インスタ疲れ、SNS疲れを招くようになった。これまでは『(とくに見映えを重視して)みんながきれいと思うようなもの』をアップすることに終始してきたが、個人個人の価値観、素直に『自分がきれい』と思うことを発信するようになるのではないか」(担当者)

 つまり、自分に合っているもの、自分が食べたいものを自然に考え、「流行っているから」食べに行くというより、「自分が食べたいと思うから」という視点が増えていくと分析。

 その結果、2019年消費トレンドは次の4つにまとめられると予測している。

①おうちごはん“ちょっとのこだわり”
“時短、簡便”は当たり前だけど、「心身ともに健やかな食生活を送りたい」

②良質な素材で“健康美”
良質な“素材”を食べることが、「健康、美、カッコイイ、おしゃれ」

③日本人が“ニッポン、再認識”
日本の“文化、モノ、食”を「大事にしていきたい、守っていきたい」

④“チャレンジ”のきっかけは動画
(調理の)工程を視聴することで、「これだったら、わたしにもできる」

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