大木ヘルスケアホールディングス 代表取締役社長 松井 秀正
小売業とメーカーをつなぐ役割をPB開発でも積極的に担う!

阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:室作幸江
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──それは小売業やメーカーにとってメリットがあり、ニーズがありそうですね。

松井 そうですね。まずは小ロットで生産して、少し売れたら大きな工場に製造拠点を移動し、さらに売れたら複数の工場で製造する。このようなコントロールができるのも、当社ならではの強みですね。

 こうしたビジネスモデルは、日本だけでなく海外でも通用するのではないかと考え、現在、取り組み始めています。これを加速させるために、今年8月、大木オーバーシーズという会社を設立しました。海外での許認可取得や現地でのやりとりなど、これからノウハウを蓄積していくつもりです。

SMやGMSにおけるヘルスケアの売場提案も

──商品開発のニーズは、SMやGMSではどうでしょうか。

松井 食品のPBは多くありますが、ヘルスケアやホームケアに関してはなかなか進んでいないようです。当社が間に入ることで、もう少し進められるのではないかと思います。実際、SMやGMSが扱いやすい準PBのような留型をいろいろご用意しています。健康茶や青汁、サプリメントなどですね。

──ヘルスケアに関して、SMやGMSへの期待度はいかがですか。

松井 もちろん大いに期待しています。そもそも健康の根幹は「食」。そこを起点としてヘルスケアを考えるべきでしょう。これからの時代、ヘルスケアは絶対外せないカテゴリーです。とはいえ、いきなり売場に医薬品コーナーを置いても、片手間にやっていては成功するのは難しい。けれど、ヘルスケアをお店の中核にして、その周辺カテゴリーを含めてフロアレイアウトし、商品構成も検討すれば、健康志向のお客さまをきちんととらえて成功するでしょう。

──具体的に、どのような売場が消費者に響くでしょうか。

松井 たとえば高齢化対応でいえば、私自身は、中食がメーンになると思っています。スマイルケア食など介護食への取り組みは進み始めていますが、すべての食事をそれで賄おうとするとコストがかかる。元気な高齢者であれば、SMやGMSで販売する食材で食生活を賄うのが一般的です。

 そうしたときに、骨を抜いた煮魚や食感のやわらかい豆腐ハンバーグ、糖質がカットされたお弁当などが総菜売場にあると、高齢者に対してアピールできます。そして隣には健康茶、その先にマルチビタミンが置いてある。こういった売場こそ、SMやGMSが辿り着くべきヘルスケアではないでしょうか。関連性のある売場づくりが大切だと思いますね。たとえ価格志向のお店であっても、それに合わせたコンセプトの商品を置くことで、ヘルスケアを意識した売場をつくることができます。カップラーメンの隣にコストを意識した手軽に取れる青汁や1本で野菜がとれるドリンクなどを陳列するといった具合です。

──ヘルスケアに取り組んでいくなら、どう売場をつくるかは重要ですね。

松井 DgSが食品を取り込んでいる今、SMやGMSはヘルスケアを取り込んでいく必要があります。健康軸や高齢化を意識した売場をつくっていかないと、いろいろな店やチャネルにお客さまが分散してしまいます。

 ヘルスケアの軸をプラスした売場をつくりたい場合、ぜひお声を掛けていただきたいですね。棚割提案からPB開発まで全面的にバックアップさせていただきます。

 そもそも当社は、単に利益を追求するのではなく、大木という組織を通じて社会に貢献するというのがモットー。ヘルスケアは、すなわち健康寿命の延伸であり、社会貢献のひとつです。ですから、社員一人ひとりがとことん考えて行動します。1人に対して求められるものは大きいですが、やりがいにもつながっています。そんな当社の経営理念をご理解いただいたうえで、ぜひパートナーの関係を築いていただけたらと思います。

 

 

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記事執筆者

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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