中村栄輔社長が語る「モスバーガーでヒット商品が出続ける」仕組みと仕掛け

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R&Dから販促まで一気通貫で、新商品を生み出す

モスバーガー店舗外観
モスバーガー 大船渡店

――1921年の中期経営計画では、ニーズの多様化に適応するために、社内改革でどのような手を打ちましたか。

中村 20197月からまず、人事・組織のあり方を刷新しました。中でも、いち早く商品部門の組織再編に着手しました。具体的には、マーケティング本部の中に、商品開発を担う商品部を取り込む体制にしました。

――商品部門の改革を急いだのは、モスバーガーにとって、商品力が生命線だからですか。

中村 そうです。商品部門には、お客さまの想像を超えるような斬新なアイデアを生み出す、クリエイティビティが欠かせません。今までの画期的な商品はプロダクトアウト発想の賜物です。とはいえ、「独立独歩でかまわない」というわけにもいきません。独自にこだわった商品開発が、多様化したニーズとのかい離を生んだとも考えたので、マーケティングで「どんな食材に人気が出そうなのか」「お客さまが何を望んでいるのか」といったことを念入りにリサーチしたうえで、商品開発のコンセプトを決め、それを商品部に落とし込むことにしたのです。

――「顧客の声」を聞きながら、商品を開発するということですね。

中村 マーケティング本部と商品部が一体化したことで、商品の研究開発の上流から、新商品を「どのメディアで、どのような方法で宣伝するか」といった下流の販促まで、一気通貫で連動できるようにもなりました。

 顧客の声を的確に聞き出すために、営業本部とマーケティング本部の連携も進めました。新商品のキャンペーンなどは、両本部が緊密に連携し、取り組む体制にしています。また、当社の店舗の8割はFC加盟店ですが、FC加盟店の互助組織である「共栄会」とも連携して、FCの意見や要望を集約し、結果をFCにフィードバックするサイクルも作り上げました。

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