コロナ禍でも業績堅調! コメダHD、急成長と圧倒的高収益の秘密

棚橋 慶次
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競合を寄せつけない圧倒的な収益力

 優れた収益力にも注目したい。コメダの売上高営業利益率は、コロナに見舞われた2021年2月期を除き、上場以来ずっと20~30%台を維持している。ちなみに直近の22年2月期の営業利益率は21.9%だ(売上高333億1700万円、営業利益73億500万円)。

 一方、「タリーズコーヒー」の運営元である伊藤園子会社、タリーズコーヒージャパン(東京都)は一ケタ台、「ドトール」を運営するドトール・日レスホールディングス(東京都)もずっと10%を切っており、コロナに見舞われた2021年2月期と2022年2月期は営業赤字に見舞われた。

 資本効率の高さを測るROE(株主資本利益率)もコメダはずっと2ケタ台を維持する。ちなみに2021年度の東証プライム上場企業平均ROEは9.7%だ。

 高収益の最大の要因は、運営スタイルの違いにある。スターバックスの日本法人であるスターバックス コーヒージャパン(東京都)は一部ライセンス店舗を除いた90%以上が直営、タリーズコーヒージャパンやドトール・日レスホールディングスも直営とフランチャイズが約半々であるのに対し、コメダのフランチャイズ比率は95%に上る。

 フランチャイズ方式による店舗運営は、店舗スタッフの人件費や店舗の家賃といった固定費負担などを抑えることができる。フランチャイズへの卸売=売上となるので売上規模は小さくなるが、収益性や資産効率は向上する。

 もちろんフランチャイズには弱点もある。フランチャイジーもむやみに集めればよいわけではなく、育成には根気も必要だ。スタッフの教育も一筋縄ではいかない。コメダはこれまでのフランチャイズ展開を通じ、運営ノウハウを積み重ね、強みとしているのである。

コメダはスタバと戦えるか

 では今後もコメダは業界トップの「スターバックス」と伍して戦っていけるのだろうか。

 全世界に3万2000店以上を展開するスターバックス(Starbucks)は、売上高も322万ドル(約4兆5000億円:1ドル=140円で算出)を超える巨大企業だ。国内店舗数も2位以下を大きく引き離しており、コメダの2倍近くに達する。今後も圧倒的な資金力で日本市場をリードしていくとみていだろう。

 巧みなマーケティングもあってスターバックスには固定ファンも多い。だからといって街中がスターバックスばかりになってはそれも味気ない。コメダには独自性を発揮しつつ、「庶民の味方」として勝ち残ってほしいと願う。

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