顧客満足度と収益が連動しない理由!ユニクロ出身社長が提供、顧客体験マネジメントサービスとは

2022/11/11 05:55
    油浅 健一
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    お客の継続的な来店を図るため、顧客満足度の向上に力を入れる小売業、サービス業は多い。だが、顧客満足度が高いからといって、それが売上に必ずしも連動するとは限らないこともわかっている。その理由は、顧客満足度からでは把握できないことがあるからだ。ではどのようにして顧客体験をあげて収益と連動させていくべきなのか?顧客体験のマネジメントサービスを行うエモーションテックの今西良光社長に話を聞いた。

    XiXinXing/istock
    XiXinXing/istock

    顧客満足度調査の落とし穴

     モノが売れない、客が来ない、客が減った。売上が停滞しはじめた時、小売各社は内部施策と併せ、顧客の声に耳を傾けることは珍しくない。内向きに最善と判断しても、顧客に響かなければ無意味だからだ。

     ところが、この顧客満足度調査にも落とし穴がある。2005年に顧客満足度の調査会社が主催するアワードで多くの賞を受賞したGM(ゼネラルモーターズ)。当然、業績も絶好調と思われたが、市場シェアは低下し、おまけに社債の格付けが投資不適格に引き下げられた。

     あるサービスの顧客満足度調査では、離反した顧客の80%が、直前の調査では「満足している」と回答していたという結果もある。つまり、顧客満足度は、それをテコ入れ策としてフィードバックしても、期待するほどの成果が得られないケースもあるということだ。

    なぜ顧客満足度と収益は連動しないのか

     なぜ、こんな不可解な結果になるのか。顧客体験を収益に連動させる支援サービスを提供するエモーションテック社長の今西 良光氏が解説する。

    「満足度調査では心から本当に満足しているかを把握できないと考えられます。満足度を、心と頭に分けて考え、大手スーパーマーケットチェーンを調査対象に、収益性と関連づけて分析した研究があります。それによると、心で満足している顧客の支払額が月210ドルだったのに対し、頭で満足している顧客のそれは144ドルで月間60ドルの差があったのです。つまり、いわゆる満足度調査の数値改善に躍起になっても、売上増には必ずしも繋がるとはいえないのです」

     今西氏は2013年にエモーションテックを創業。出身のファーストリテイリングで、小売における顧客体験の重要性を体感する一方で、それらが個人の力量などに依拠し再現性がないことに課題を感じ、早稲田大学大学院を経て起業した。感情や想いをテクノロジーの力で「形」にすることで、企業の持続的な成長を支援するのがミッションだ。

     具体的には、独自の調査・分析によって顧客体験(CX)を正確に把握。企業が提供する商品・サービスに紐づくCXを独自の手法で分析・可視化し、取り組むべき優先課題や強み・弱みを特定することで、ファン創出をサポートする。
    ※Customer Satisfaction Doesn’t Count(2003年、ジョン・H・フレミング、ウィリアム・J・マキュアン)

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