ラインロビング技術と生活提案

日本リテイリングセンター シニア・コンサルタント:桜井多恵子
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商品部門の改廃と品揃え手術の手順

 フォーマットの種類は品揃えで決まることはすでに述べた。商品部門構成、商品部門内の品揃えの特徴が独特のフォーマットを生み出し、お客の来店動機となるのである。企業ごとに同じような商品部門構成に見えても、それぞれの品揃えの重点や強弱は違う。企業側がねらう「お客の買物のTPOS(時、場所、場面、スタイル)」に合わせて、意図的に総合化することが求められるのだ。

 フォーマットごとの企業数が増え、フォーマットの種類が増え、店数は飽和に近づいた今、企業間競争とフォーマット間競争は激化している。その結果、企業とフォーマットの優劣が明確になりつつある。だからお客にとってより便利で、企業側にとってはより合理的で将来性のあるフォーマットの再構築が不可欠なのである。

 ところが最近の風潮は、①扱う商品部門数もSKU数も多い方が有利、②個店対応を強化すればこのままでも何とかなるはず、③同じフォーマットの大手も変わらないから同調したほうが危険は少ないのではないか、など、根拠のない消極的見解が蔓延しているようだ。しかしそれではフォーマットごと消えることになりかねない。まずECの餌食になるだろう。生活者はより有利なフォーマットを選ぶからである。

商品部門構成、商品部門内の品揃えの特徴が独特のフォーマットを生み出し、お客の来店動機となる(i-stock/Kwangmoozaa)

 そこで、生き残るためには、扱う商品の全面的な見直しが欠かせない。それによって売場面積の適正規模も変わってくる。そのため新規出店はストップして、その作業に人材を動員し、予算を取って調査と研究、実験に時間をかけるべきである。

 品揃え改革の最初のステップは、本連載の第2回で述べた「部門別管理総括表」を分析することである。赤字部門の整理が先なのだ。それには商品部門ごと廃止する案も必要である。将来性がないなら止めるべきだ。また、ホームセンターのようにプロ需要を独立させて別の店舗として再構成することも考えられる。必要商圏人口が違い、客層も、購買動機もそこだけが異質なのだから、もともと同じ屋根の下で総合化するには無理があったのだ。商品レベルが違うのだから分けるべきである。

 一方、商品部門を継続するなら

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