インテリア雑貨、日用品、アパレルなどを扱うECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコム(東京都)は2022年8月5日、東京証券取引所グロース市場に新規上場を果たした。ライフカルチャープラットフォームを標榜し、ECだけでなく、オンラインメディアや各SNSの運営、オリジナルドラマやドキュメンタリー、自社制作の映画などの制作も手がける同社。小売業の常識を覆す独自性あふれるビジネスモデルの秘密と今後の経営戦略について、青木耕平社長に聞いた。
広告を出さずにお客を集める方法
──クラシコムでは、EC事業を主要事業とされていますが、そのビジネス展開は非常にユニークです。
青木 クラシコムはライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」を運営しています。ビジネスラインは2つに大きく分類できます。
ひとつがD2C事業で、インテリア雑貨、日用品、アパレルといった暮らしに必要な品々をセレクト、もしくはオリジナルで開発しオンラインで販売しています。この事業が売上全体の約95%を占めます。
残りの約5%を占めるのがブランド・ソリューション事業です。国内のブランドを中心に、商品開発やコンテンツの制作・発信、テストマーケティングに至るまでソリューションを提供するビジネスを行っています。
当社にユニークな点があるとすれば、顧客創造の仕方と顧客との関係維持の仕方にあると思います。一般的に、ECは広告を介して顧客と出会い、販促によって常連客を創造します。他方、当社では、統一された世界観を表現するコンテンツをつくり、SNSやアプリ、動画配信などのチャネルで日々配信することで顧客創造し、顧客との関係を維持しています。ご購入前からつながりがあり、買って終わりではなく関係が長く続くことから、LTV(顧客生涯価値)が最大化されることが当社の特徴です。
──なぜ、コンテンツ制作に力を入れるようになったのでしょうか。
青木 当社が扱ってきたカテゴリーは、
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