業務スーパー、値上げしても売上絶好調の理由と新たな小型店戦略とは

聞き手:阿部幸治
構成:森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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コロナ禍にあり食品スーパー(SM)業界では売上高の伸びが鈍化、または前年実績を割る企業が目立ってきた。そのなか「業務スーパー」をフランチャイズ(FC)展開する神戸物産(兵庫県)は、依然として業績を伸ばしている。現在の取り組み、将来展望などを同社の沼田博和社長に聞いた。

PBは3割値上げのケースも

──コロナ禍が3年目に入りました。実績を落とす企業が少なくないなか、御社は依然として好調です。

神戸物産代表取締役社沼田 博和氏
沼田 博和(ぬまた・ひろかず)
●1980年生まれ。2005年、 京都薬科大学大学院修士課程修了、同年大正製薬に入社。09年、神戸物産入社、11年取締役。12年代表取締役社長(現任)、18年外食事業推進本部担当役員(現任)

沼田 足元の売上高は、今年5月の実績(全店ベース)が対前年同月比10.8%増、6月同14.9%増、7月同11.4%で推移しています。今期(2022年10月期)に入り、2月度は同8.8%増だったものの、それ以外は10%を超しており、総じて2ケタ成長を続けています。

──その要因を、いかに分析しますか。

沼田 コロナ禍が始まった20年初旬からこれまでを振り返ると、当初は外出を控え、家で調理する人が増えたことで売上高が大きく伸長しました。以降、感染者数の増減が何度も上下動、現在は第7波を迎えるなか、消費者の買物動向も大きく変化。業務スーパーの利用者は、一般のお客さまの利用がやや減る一方、業務需要が戻りつつあります。

 全体として客数は、ほぼ前年実績を維持できています。この数字は新規出店分を含んでおり、ここ数カ月、既存店が伸びているのはほぼ値上げ分が反映されたものとみています。

──値上げはどのような方針ですか。

沼田 競争力

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構成

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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