コスモス薬品は2019年4月に「広尾駅店」(東京都渋谷区)を出店し、関東に進出した。その後積極的な出店を続け、約3年を経た現在は1都6県に計68店舗(8月31日時点)を展開している。コスモス薬品の“東征”は順調なのか。状況を確かめるため、都内への通勤圏でもある千葉県野田市内にある2店舗と、至近にある周辺の食品スーパー(SM)、ドラッグストア(DgS)を訪れ、首都圏におけるコスモス薬品の競争力を考察してみた。
(調査日:2022年8月10、14、16日) ※文中・表中のコスモス薬品の価格はすべて税込
関東では珍しい至近距離での出店
千葉県北西部に位置する、人口約15万人の野田市。キッコーマンが本社を置くなど醤油の産地として知られるが、東京都心部から直線距離でおよそ30㎞の位置にあり、ベッドタウンとしても発展してきたエリアだ。
今回調査を行ったのは、東武アーバンパークライン(野田線)の「愛宕」駅~「清水公園」駅周辺。コスモス薬品は線路を隔てて東側に「柳沢店」(2021年11月オープン)、西側に「野田さくらの里店」(20年10月オープン)の2店舗を展開している。密度の高いドミナントを構築している西日本に比べると、関東エリアの店舗は分散している。しかし野田市内の2店舗間の距離は2㎞に満たず、こうしたケースは関東では比較的珍しい。
両店ともに、売場面積約450坪のコスモス薬品の標準サイズとなっている。売場レイアウトは多少の違いはあるものの、「冷凍食品」「アイスクリーム」「和日配」「酒類」など、食品の主軸となる部分はほぼ変わらない。
また、柳沢店からは100mほど離れて「ベルク野田柳沢店」「スギ薬局野田愛宕店」、野田さくらの里店からは道路を挟んで向かいに「ベイシア野田さくらの里店」、300mほど離れて「ドラッグストアセキ桜の里店」など競合するSM・DgSが至近に存在する。
関東圏ではまだ知名度も低く、ブランドパワーもほぼ持たないコスモス薬品だが、あえて激戦地で勝負して勝ち抜いていくという強い意思が感じられる。
コスモス売場印象❶
ディスカウントドラッグ コスモス柳沢店
住宅街立地の標準モデル
続いて、コスモス薬品の2店舗それぞれの売場と、他チェーンとの競合状況を見ていきたい。
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