「小商圏型メガドラッグストア」を掲げた独自のフォーマットと各地での高速出店、それを支える徹底した標準化・効率化の取り組みによって競争力向上を図るコスモス薬品。商品の値上げ基調、出店コストや水道光熱費の上昇、競争激化など、外部環境が厳しさを増すなかで、いかに戦っていくのか。直近の業績や取り組み、今後の展望などについて、2022年5月期の決算説明会における横山英昭社長の発言をまとめた。
関東での出店余地増で出店計画を“上方修正”
コロナ禍が依然として続き、企業活動や消費者の購買動向にも大きな影響を与えている。そのなか当社は、ローコストオペレーションを進めることで低価格を実現、お客さまにとって「安くて、近くて、便利なドラッグストア」をめざしている。
2022年5月期決算では、売上高が7554億1400万円、営業利益297億9600万円だった。新しい収益認識基準が適用されたため、決算短信には前期からの伸長率を記載していないが、単純に前期実績と比べた場合、売上高は4%増、営業利益は10.1%減の増収減益となった。売上高は過去最高を更新、また1991年の決算期変更以来、31期連続の増収を達成している。
既存店売上高は対前期比0.1%減だった。値上げが続くなかでも、高品質な商品をより低価格で提供する方針を維持したことで、前年並みの実績を維持できたと認識している。この既存店売上高をさらに分解すると、客数は同3.6%減だったのに対し、客単価は3.6%の増加となった。客単価の伸長は、商品の値上げで1品単価が上がったほか、買い上げ点数が増えたことの効果によるものだ。
前期の出店状況に目を向けると、新規出店は120店舗、閉店は6店舗で、期末現在の店舗数は1244となった。新規出店の内訳は、関東地区38店舗、中部地区25店舗、関西地区15店舗、中国地区8店舗、四国地区8店舗、九州地区26店舗である。
22年5月期の新規出店数は当初、100店舗を計画していた。しかし期中に関東地区での出店余地が大きいと判断し、20店舗を計画に追加した経緯がある。
また、調剤薬局の開局にも力を入れている。22年5月期は28店舗を新たに開設した結果、今年5月末時点で38店舗となった。今のところ調剤薬局は「収益の柱」になっているとはいえないが、長期的な視点に立ち、さらに店舗を増やしていきたい。
自社競合はいとわず「地域完全制圧」をめざす
今期(23年5月期)の戦略について
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