米菓業界のリーディングカンパニー、亀田製菓(新潟県)は「グローバル・フード・カンパニー」の実現に向けて、製菓業から食品業への転換を図るため、2022年6月、役員体制を一新。プロパー社員として、生産現場から総務、営業まで幅広く経験してきた髙木政紀氏が社長に就任した。若きトップに今後の抱負や取り組みについて聞いた。
響くストーリーがあれば米菓市場はもっと伸びる
──まずは現在の米菓市場について教えてください。
髙木 1年前まで営業本部長として現場の最前線にいた私の市況感ですが、それほど悪いイメージはもっておりません。実際、22年度は対前年度比微増で推移しています。ただ、いろいろな流通小売業の方々とお話をさせていただくと、米菓市場はもっと伸びるのではないかと感じています。おいしい米菓をつくるだけでなく、企画とストーリーを立てていけば、米菓の可能性はまだまだあると見ています。
そうした矢先、米菓市場でシェア25%を握る三幸製菓さんが工場火災で生産停止となり、当社を含め米菓メーカーは米菓売場での商品不足を補うべく、主力商品の供給に注力せざるを得ない状況が続きました。コロナやオリンピックによる特需もそうですが、その場しのぎの収益があったところで、その先につながらなければ意味がありません。幸い、三幸製菓さんが生産を再開されたので、ようやくこれまで準備してきた商品とストーリーを披露できるようになり、目下、ギアチェンジを図っているところです。
──米菓にはまだまだのびしろがあるとのことですが、それはどういう点でしょうか。
髙木 米菓ユーザーの多くは60代や70代であり、当社の商品においてもそれを見据えた商品構成になっています。つまり、
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