東進続けるコスモス、迎え撃つクスリのアオキ、熾烈なフード&ドラッグ競争の最終的な勝者は?

中井 彰人 (nakaja lab代表取締役/流通アナリスト)
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“ロードサイドマーケット最強”の存在に

 コスモス薬品の凄みは、出店エリアを拡大しつつも、九州、中四国といった本拠地でのシェアを防衛し、売上を着実に増やしていくドミナント戦略にある(図表②)。物流網を整備しつつ、一旦進出した地域には着実に店舗を増やしていくという手法でローコスト体質を構築する、まさにチェーンストア理論のお手本ともいうべき存在だ。

 コスモス薬品の売上高販管費比率は16.1%と業界最低水準を実現しており、このローコストを武器に食品の価格訴求で来店を促す。有価証券報告書に記載の売上と仕入からざっくり計算した商品別の粗利益率をみると、低価格で集客するための食品は14%弱と販管費率を下回るが、医薬品は34%、化粧品は25%、雑貨は20%に設定されており、これらは収益源となっていることがわかる(図表③)。

 ローコスト体質をベースに、食品の低価格販売を“撒き餌”としてクルマを停めさせ、薬粧雑貨の「ついで買い」で収益確保するというビジネスモデルは、地方ロードサイドマーケットにおいて最強の存在となったのである。

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