アジアに3~5年で500店出店めざす!フライングタイガー本国CEOにインタビュー!

2022/09/07 05:55
    西岡克
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    北欧デンマーク発の値頃な雑貨店「フライング タイガー コペンハーゲン」(以下、フライングタイガー)は2012年に日本に上陸し、今年7月に10周年を迎えた。日本ではサザビーリーグとの合弁会社Zebra Japan(東京都/松山恭子CEO)が運営し、店舗数は35店に拡大した。世界では欧州を中心に27カ国858店舗を展開している(2021年度末)。本国・ゼブラ社のトップを務めるマーティン・イェアミーンCEOと松山恭子CEOに事業の現状と今後の戦略について聞いた。

    聞き手=本誌編集長・阿部幸治 構成=西岡克(フリーランス)

    1~6月は20%増、コロナ後に向け急回復

    ゼブラ社
    本国・ゼブラ社のマーティン・イェアミーンCEO(右)とゼブラ ジャパンの松山恭子CEO(左)

    ―ゼブラ社の2020年度の売上高は前期比34.8%減だったが、2021年度は同9.8%増の381200万デンマーククローネ(DKK、約694億円:1デンマーククローネ=18.2円で換算)と上向いた。現在のビジネス環境は。

    イェアミーン 2021年に続き今上期(1~6月)は20%増で推移している。コロナ禍で厳しい時期もあったが、行動制限も緩和され、お客さまがかなり戻ってきた。客数はまだコロナ前には至らないが、客単価は上がってきた。

    2021年度のEBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)は95000DKKと前期比で84000DKKも改善した。粗利益率も61.6%と直近で最も高く、コロナ前の19年度と比べても1%ポイント以上改善している。これらの要因は何か。

    イェアミーン EBITDAの改善は当社の強みであるファンデザイン(ユニークなデザインの商品)とサステナビリティ(持続可能性)、そしてオペレーションに投資してきた結果だ。粗利益率の改善は在庫コントロール、すなわち適正在庫を持ち、売れる店に投入するという施策が奏功した。

    ―世界的なインフレが起こっている。商品の値上げなどへの影響は。

    イェアミーン インフレの影響はないわけではないが、それ以上にオペレーションが改善してきた。付加価値の高い商品開発によって、インフレであっても粗利益が取れるビジネスモデルを築き上げている。

    松山 日本も同様。「タイガーイッシュTigerish」と呼んでいるが、ユニークでフライングタイガーらしいデザインであるかを重視し、商品の付加価値を見極めている。付加価値が付いていれば他社の倍の価格でも負けないし、投入後に消化率が悪ければすぐに価格を変更する。定価や値上げという考え方はあまり持っていない。

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