経営幹部の意見を一蹴!Z世代の声からつくった「キラキラドンキ」が絶好調の理由
商品を使った感想をPOPで伝える
ここからはキラキラドンキの売場づくりをみていこう。同店の売場面積は287.04㎡で、中心となるコスメ4000アイテム、菓子1400アイテムのほか、加工食品や飲料、雑貨など合計約6000アイテムを取り扱う。
売場づくりでは、既存店で従業員の意見を基にした取り組みを成果につなげた実績のある沢里優美(さわさとゆうみ)店長のもと、Z世代の意見を取り入れながらアミューズメント性あふれる演出が多くみられる。たとえば、ドン・キホーテの公式キャラクター「ドンペン」を前面に打ち出し、大小多くのぬいぐるみを店内随所に飾っているほか、POPや天井から吊り下げたオーナメントなどでもドンペンのデザインを大量に使用。色味やデザインのニュアンスなどはZ世代のスタッフの意見を反映させている。
POPでは、スタッフがお絵描きアプリでイラストや商品を使った率直な感想を書いた個性あふれるものが多くの商品に添えられている。「ドン・キホーテの既存店で取り扱っている商品も多いが、『この店はトレンドのものが完璧に揃っている』という声をいただくこともある。それはこの店がZ世代の感性に合わせた売場づくりをしているからだ」(沢里店長)。
商品の品揃えは、最初こそ既存店で好調だったアイテムが中心だったが、次第に現場従業員の意見で展開しているものも増えてきている。オープン時は従業員の約60%がZ世代で、彼女らの感性に響かなければ、本部が提案した商品でも売場には並ばない。基本的には、Z世代に好評なトレンド商品やSNS映えするもの、他の店舗にはない珍しい商品などを取り扱う。