コロナ禍で好調続く生協宅配 今あらためて生協が支持される理由
大きく4つの重点施策
日本生協連は22年度を「環境変化に対応し足場を固める期間」と位置づけ、①人生100年時代に対応する事業構築、②地域ネットワークの一翼としての役割発揮、③未来を切り拓く組織づくり、④コロナ後の世界に向けた準備の大きく4 つに取り組む。重点施策には、宅配事業のリノベーション、店舗事業の黒字化、魅力ある商品づくり・品質保証、ICTによる事業・活動のデジタル変革を挙げた。
全国に広がる
DXプロジェクトの成功例
なかでも宅配リノベーションの推進では、20年3月から開始したデジタル変革プロジェクト「DX-CO・OPプロジェクト」でデジタル活用の実証実験を実施し、成功例を全国の地域生協へ展開している。
たとえば21 年8月には、コープ東北サンネット事業連合(宮城県)が、レシピを選ぶと必要な食材がまとめて注文できるWebサービス「コープシェフ」をリリース。使わない場合に比べて注文金額が2割~3割高くなる効果が得られたため、同事業連合エリア全域から、コープ中国四国事業連合の中国5生協、四国4生協、コープ北陸事業連合の3生協にまで導入を広げた。
また、コープあいち(愛知県)は21年度、AIによる配達コースを最適化するで実験を2度にわたって実施。走行距離を10%削減する効果が得られ、燃料価格がアップする中で各生協からの注目を高めている。
世帯ごとではなく
個人ごとの対応へ
22年度の「DX-CO・OPプロジェクト」は、これまでの実験成果の最大化や、新たなサービス開発、業務改革に取り組む。
たとえば、組合員情報をこれまでの世帯単位から個人単位で把握し、個人レベルのサービスにつなげる統合IDや、過去の注文履歴からAI予測により各家庭に適したカタログの配布、注文のレコメンデーション機能「クイック注文」などの実験を始めている。