トライアルが創業期から主力業態としてきたスーパーセンター(SuC)は、同社が目下進める「生鮮強化」の方向性を示す重要な拠点である。実際に店舗、売場、商品はどのように変化しているのか。他のSuCに先んじて、2021年9月に生鮮強化を軸とする大型改装を行った「SuCトライアル飯塚店」(福岡県飯塚市:以下、飯塚店)の売場をレポートする。
ドミナントエリアで大改装!「生鮮強化型スマートストア」
福岡県中部に位置する飯塚市。その中心部のほど近くに店を構えるのが、飯塚店だ。同店は2005年9月に開業、その後21年8月から約1カ月間にわたる大型改装を行い、同年9月17日にリニューアルオープンした。
改装のメーンテーマは、トライアルが昨今本腰を入れて取り組んでいる、生鮮の強化である。「生鮮食品により力を入れた店づくりを行うことで、地域のお客の支持を集め、その結果としてマーケットシェアをさらに高めていく」と説明するのは、SuCを含む店舗運営をつかさどるトライアルカンパニー社長室Su.Cフォーマット戦略課フォーマットリーダーの坂本将隆氏だ。
トライアルの社内にはSuC、メガセンター、小型店のそれぞれを統括する「フォーマットリーダー」という役職がフォーマットごとに存在する。坂本氏はこのうちSuCのフォーマットリーダー。飯塚店の改装に際しても、レイアウト設計から各部門との商品政策(MD)や棚割りなどの折衝までを総合的に指揮した。
さて、飯塚市を含む筑豊エリアは、トライアルがかねて積極出店を行ってきた地域だ。飯塚店の周辺を見ても、「SuC上三緒(かみみお)店」(飯塚市)、「SuC田川店」「SuC田川後藤寺店」(いずれも田川市)、「SuC桂川店」(桂川町)など自社店舗が複数存在している。それだけに地域住民のトライアルの認知度は県内でもとくに高い。一方でトライアルにとって飯塚店は、「自社店舗を複数展開するドミナントエリアの一角」で、「半径10~15分圏内に一定数の人口がある郊外」に位置するという、これまで得意としてきた立地の店舗である。それだけに、「生鮮強化の取り組みが集客や売上にどう作用するのか、改装の成果がとくに問われる店でもあった」と坂本氏は振り返る。
改装に際しては、生鮮・総菜および日配売場の
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