全部門の黒字化をめざし、売場面積を再配分
本連載第2回で述べたように、現状の商品部門構成は時を経て歪んできた。かつて黒字だった商品部門は店数の増加につれて起こる自社競合や同業他社との競合、さらに同じ商品部門を持つ他フォーマットからの侵略によって売上高が徐々に減少し、赤字化する。
また、品目数の増加による商品管理コストの上昇、さらに効果が不明の過剰サービスなどで、売上高が微増してもオペレーションコストの増加で赤字化する。この状況を是正しなければならないのだ。赤字の原因を排除すれば確実に黒字化できるのである。
赤字の原因は2種類ある。第1に、売上高不足、第2に過剰なオペレーションコストの投入である。それぞれ対策は異なるが、いずれも修正は可能である。
第1のケースについては、売上高不足の部門は、売場面積を縮小するという手術で解決できることが多い。本来原資となるのは粗利益高だから、売上高より粗利益高のほうが重要なのだ。しかし、仕入れ商品でそれを高めるのは簡単ではない。
売上高の減少を招くのは商品そのものに人気がない場合がほとんどだ。だから、売上高減少が直接、粗利益高減少に直接つながることが多い。したがって売場面積を調整する対策が適切である。
部門別管理総括表には売場面積構成比と粗利益高構成比の欄がある。その2者を比較すると、赤字部門の場合、面積比に対して粗利益高比が低いことが多い。それを同じ比率に調整することで黒字化は可能である。
当然ながら、減らすのは赤字の原因となる品種グループや価格帯である。死に筋のSKUを選んで排除しようとしても途中で基準があいまいになり、なかなか減らせないものだが、低購買頻度品や客層が限定される商品、高価格帯商品など、死に筋化しやすい条件を決めてグループごと排除する。そうしないと売場面積削減には至らないのである。
一方で、後方在庫を持ち頻繁に補充していた売れ筋品目の在庫を、最初から棚に収められるように棚割りの定量を増やす。そのための必要売場面積は増やすことになる。
それでも空いた売場は10年後の対策として育成品種に割り当てるか他社に貸す。
次に第2のケースについては、売上高は十分にあるのに赤字化する原因となる経費の明細を詳細に検討する。多くの場合、
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