オーケー決算、既存店売上は巣ごもり需要の前期を上回る!関西出店は?

棚橋 慶次
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物価高騰時代のEDLP

 オーケーストアが今後も成長を持続するにあたって、ハードルとなるのが物価高騰と店舗数の拡大頭打ちだ。

 デフレ下において、日本では物価が上がらないことが常識になりつつあり、小売側にも消費者側にも感覚として染みついてしまった。ところが足元では、日本でもじわじわと物価が上がってきた。5月のCPI(消費者物価指数)は対前年比2.5%増まで上昇している。

 大手食品メーカーも値上げに動いており、消費者と向き合う流通チャネルには苦しい対応が求められる。

 一般的なスーパーマーケットであれば、特売の回数を減らしたり、安売り対象商品をしぼったりなどの対応で仕入れ価格アップを吸収できる。ところがオーケーのようなEDLP政策を採用するプレイヤーの場合、販売価格を上げるか、取り扱いアイテムを見直すか、対応は限定される。

 メーカーとの摩擦も記憶に新しい。22年2月に幅広い品目で値上げに踏み切った花王に対し、オーケーは500前後の取り扱い商品のうち3割近い品目の販売中止を発表した。しかしその後も「アタック」をはじめ消費者の支持が高い商品については再販売するなど、対応に苦慮する面も見られた。

 いかに価格を抑えつつ、メーカーと共存共栄していくか。難しい舵取りが求められるなか、オーケー の二宮涼太郎社長はダイヤモンド・チェーンストアによる5月のインタビューで「メーカーさんとよく話し合いながら、上げざるを得ないものは上げつつも、値上げ局面でも方針は変わらず、地域最安値をめざす」としている。

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