コロナ禍で客層が大きく変化したコンビニ、変化なしのコンビニの差はどこにある?

調査・解説:unerry:内山麻紀子、unerry:住川俊多、unerry:梅田佑輔
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コロナ禍でのリモートワークの普及やまとめ買い需要の高まりなどから、コンビニエンスストア(CVS)の利用傾向は大きく変化している。そうしたなか、どのような人がCVSを多く利用するようになったのか。スマートフォン位置情報を活用した調査で明らかにしたい。

調査概要
●調査対象期間

2020年1~2月:コロナ前の時期
2020年4~5月:緊急事態宣言1回目で移動自粛が強く求められた時期
2021年1~2月:緊急事態宣言2回目で移動自粛が強く求められた時期
2022年1~2月:まん延防止等重点措置期間で自粛が求められた時期
●対象地域・店舗
東京都町田市の住宅エリアに立地している店舗
セブン-イレブン31店舗、ファミリーマート31店舗、ローソン23店舗
住宅エリアに立地している店舗とは①店舗の半径500m以内に一定数以上の居住者がいると推定される場所②居住者数が分散していると想定されるエリアを除き、上位約70%程度分析対象とした③その他、駅構内や隣接店舗は除外した
●ペルソナ分析対象の来店者
分析対象とした来店人数は、3万9637人(N=3万9637)。一定以上のログ数があるユーザーのみ(ログが粗いユーザーは対象外)。各対象期間中において、月1回以下の来店者は除外した

最寄りの店舗を利用する傾向が定着

 unerry(ウネリー:東京都/内山英俊社長)が開発・運営する「Beacon Bank(ビーコンバンク)」は、GPSと全国約210万カ所のBeaconネットワークを介して月間300億件以上の屋内外のスマートフォン位置情報ビッグデータを蓄積する、日本最大級のリアル行動データプラットフォームだ。AI解析による行動変化の可視化など、消費者の行動を多面的に分析している。

 本調査では、コロナ禍で利用が伸びたと言われる「住宅立地」に焦点をあて、CVSの利用動向を調べた。調査店は、東京都町田市の住宅街にある「セブン-イレブン」31店、「ファミリーマート」31店、「ローソン」23店。これらの店舗を訪れた計3万9637人を対象に、コロナ禍の4つの期間における利用動向を比較した。

位置情報のイメージ
東京都町田市の住宅街にある「セブン-イレブン」31店、「ファミリーマート」31店、「ローソン」23店。これらの店舗を訪れた計3万9637人を対象に、コロナ禍の4つの期間における利用動向を比較した。(i-stock/NatanaelGinting)

 まず来店頻度の推移では、来店回数は、全国で緊急事態宣言が発出された2020年4~5月に「8回以上」の割合が大きく増加し、「3回」の割合が減少した。外出自粛を求められたなか、最寄りの決まったCVSで買物を済ませる人が増えたことが背景にあると考えられそうだ。その後、22年1~2月には「8回以上」と「3回」の割合がいずれもコロナ禍以前の20年1~2月とほぼ同じ程度に戻っている。チェーン別では、

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