セブン-イレブンがコロナ禍以降、フェア・ダイソー・野菜販売を強化している理由

Pocket

メインイメージ

セブン-イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長:以下、セブン-イレブン)は、コロナ禍での消費者の購買行動の変化に応じて、新しい品揃えの導入、販促策に動き出している。フェア開催による来店動機の創出や、青果や「ダイソー」商品などを扱うことでワンストップショッピングニーズへの対応を進めている。

毎月のフェア開催で、既存店実績がコロナ前超え

 かつて40カ月以上、既存店売上高を伸長させ続けるなど、常に需要を開拓し続けてきたセブン-イレブンも、コロナ禍の逆風下では苦戦を強いられている。同社の2022年2月期の既存店売上高伸長率は対前期比で0.7%増加した。しかし、コロナ感染拡大の影響を大きく受けた21年2月期は同2.4%減で、コロナ禍の落ち込みを完全に巻き返すには至っていない。客単価は同1.9%増と伸長しているものの、客数が前期の同9.9%減に続き、同1.2%減と2期連続で減少していることが響いている。商品本部長の青山誠一氏は「コロナ禍がある程度、収束してもお客さまの生活様式は以前のようには戻らないだろう」との見通しを示した。

 こうした厳しい商環境下でセブン-イレブンが注力しているのが「フェア」の実施だ。今年1月の「北海道フェア」にはじまり、2月には「アジアングルメフェア」、3月には「九州フェア」、4月には「カレーパーティー」「沖縄フェア」、5月には「イタリアンフェア」と、「ワクワク・驚き」の創出をテーマに毎月、開催してきた。その理由について青山氏は「人の行動が減った今、立地の利便性で来店してもらうことが難しくなっており、CVSはこれまで以上に来店動機を創出する必要がある」と説明する。

セブンイレブンの沖縄フェア
「ワクワク・驚き」の創出をテーマに毎月、フェアを開催している

 フェア自体は、食品スーパーや百貨店などでもよく開催されている。これに対してセブン-イレブンが強みとするのが、他社にはないオリジナルフレッシュフード(米飯、サンドイッチ、総菜、麺類など)でフェアを展開できる点だ。全国47都道府県にあるセブン-イレブンの協力企業の工場を生かし、おいしさ・品質にこだわった商品を開発する。

 たとえば、

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

1 2

記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

ダイヤモンド・チェーンストア編集部紹介サイトへ

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態