立教大・田中道昭教授が「コンビニもウォルマートをめざすべき」と語る理由とは

解説:立教大学ビジネススクール教授:田中道昭
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コロナ禍での消費行動の変化が逆風となったコンビニエンスストア(CVS)。今、CVS業態には何が起きているのか。こうした状況下でCVSはいかなる方向性をめざしていくべきか。流通小売業界の専門家である立教大学ビジネススクール教授の田中道昭氏に見解をうかがった。

フードデリバリーが新たな競合に

 コロナ禍でのリモートワークの普及をはじめ、消費者の暮らし方や価値観が変化するなか、CVS業界は首位セブン-イレブンでさえ苦戦を強いられた。

 コロナ以前、CVSが成長業態だった理由はなにか。それは、「便利」と「おいしい」という2軸でのポジショニングにおいて最も優位性のある右上に位置していたからだ。ところが、コロナ禍で変化に対応した新業態が登場したことで、そのポジションが左下にシフトダウンした。新業態とは、「UberEats」に代表されるフードデリバリーサービスだ。海外では、ソフトバンク(東京都)グループの新たな投資先である米Gopuffのように、日常使いの売れ筋商品を15分程度で届ける、店舗を持たないネットコンビニ「ダークコンビニ」という新しい業態も登場している。

 フードデリバリーサービスは、当初こそファストフードが中心だったが、寿司、焼き鳥、洋食など、さまざまな有名飲食店の出来たてでおいしい料理が、都心であれば注文後20分程度で届けてもらえるようになっている。

 つまり、消費者が「今日の昼食はどうしようか」と考えたときに、「CVSに行き弁当を購入する」以外に、「デリバリーサービスで出来たてのメニューを注文する」という選択肢が加わったことを意味する。「便利×おいしい」を軸に成長してきたCVSだが、その両軸でCVSを上回るデリバリーサービスの普及により優位性を失いつつあるのだ。

 競合とは消費者が決めるものだ。同業態であるCVS企業はもちろん、「便利×おいしい」を求める消費者からすれば、デリバリーも、アマゾンも、ドラッグストアや食品スーパーもCVSの代わりになりえるのである。

CVSもめざすべきはウォルマート

ウォルマートのEC用モバイルアプリ
今後CVSが急いで進めなければならないのがデジタル化である。この点で日本のCVSがベンチマークとするべきは米ウォルマート(Walmart)だろう。

 現在、大手CVS3社の動向を見ていると、

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