親和性あり? 出前館×セイノーHDの業務提携に食品小売が参加すべき理由

2022/06/06 05:55
兵藤 雄之
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出前館×セイノーHDのネットスーパーの課題は?

 西友でネットスーパーを立ち上げた経歴を持つ木村氏は、その当時、自分一人でピッキングからパッキング、デリバリーまで対応していたという。木村氏は「出前館×セイノーHD」でネットスーパーを展開するにあたってのハードルを挙げる。

 「現在の出前館での食品のデリバリーサービスは、デリカの弁当やパンが中心で、SKUも少ない。SMの品揃えは2万アイテム程度、しかも温度帯管理も、冷凍、冷蔵、チルド、常温などがある。どこまで対応できるのか。品揃えが限られれば、客層を狭めることになる」

 これに対し櫻井氏は

 「まずは、デリバリーで利用されやすい商材に絞って(500~1000SKU程度)、商品マスターを共有。店舗に、日々のメンテナンスの負荷がかからないところから始めて、デリバリーの必要性を感じてもらう。

 ゆくゆくは、POS連携、在庫連携、ダイナミックプライシングなど、すべてやりたいと思っているが、『最初からいっしょにやりましょう』ではお金がかかる。スモールスタートが現実的だろう」と話す。

 また櫻井氏は、「すでにネットスーパーを運営しているところなら、フロント(集客プラットフォームとしての出前館)だけを利用して、ピッキング、パッキング、デリバリーは従来のスキームで、という考え方もある。自前で取れない顧客の獲得ができるかどうかを試してみるのもいい」と語る。

「店内のあらゆるものが顧客接点になる」

 凸版印刷の電子チラシサービス「Shufoo!」の定点調査では「コロナ禍での行動制限の影響で、SMでの平均滞在時間が10分程度短くなり、店内での非計画購買(=ついで買い)が減った。短時間のうちに予定したものだけを買って帰るという、新しい購買行動が定着しつつある」と結論付けている。

 今後、食品のEC化率が高まっていくのは確実な趨勢でもある。そうしたなかで、リアル店舗はどう変わっていくべきか。

 亀卦川氏は「これまで食品スーパーでは、定期的に販促を仕掛けて、昨対比のクリアに腐心するというケースが多かった。しかし、リアルとデジタルを自在に動き、オムニチャネルを楽しむ顧客が中心になるこれからの時代は、販促、売場、仕入れ、商品から、従業員に販売スタッフ、店内のあらゆるものが顧客接点になる」と指摘する。

 同様に、ネットスーパーにおける物流やラストワンマイルも顧客接点のひとつだ。 亀卦川氏は、今回のイベントをこう締めくくっている。

 「これら、ひとつひとつの顧客接点が、デジタルネットワークを介してつながっていくことが重要であり、そうした顧客との関係性を保ち続けてこそ、これからの時代の顧客満足度を高めていくことが可能になる」

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