コンサルティングサービスを武器に業績好調のノジマ、今期の戦略は?

2022/05/30 05:55
棚橋 慶次
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「コンサルティング」の強みを生かせるか

 2023年3月期の業績予想では、売上高がほぼ横ばいの5650億円、EBITDAが同2.4 %増/同12億円増の 548億円、当期純利益が同3.3 %減/同8億円減の250億円を見込む。

 デジタル家電専門店運営事業では、引き続き強みであるコンサルティング機能を拡充する。その1つが4月に発足する、省エネコンサルティング制度だ。エネルギーコストの急激な上昇が家計を圧迫する中、「省エネスタッフ」が顧客の悩みに応え、家電選びをサポートする。そのほかにも、DX(デジタル・トランスフォーメーション)投資を引き続き推進、コンサルティングフォースの強化につなげる。さらに三郷物流センターも本稼働し、供給体制の確立につなげる。

 キャリアショップ運営事業では、リアル店舗としてのメリットを発揮し、高いIT機器リテラシーを持たない顧客によりそい、お悩み解決サポートに尽力する。加えてグループ企業であるニフティーとの連携を強化、シナジーを発揮していく。

 このほか、社内婚活イベントやTOKYOふたり結婚応援パスポートといった企画にも積極的に取り組み、エリアのコミュニティ活性化に貢献する。

アキレス腱はキャリアショップ事業か

 ノジマのビジネスは、首都圏を地盤とした家電の販売(デジタル家電専門店運営事業)と、全国で展開する携帯電話・スマートホンの代理販売(キャリアショップ運営事業)を2本柱とする。主力とする家電が売上高全体の半分近くを占めるが、全国展開するだけにキャリアショップのウエートは大きく、売上高の実に1/3を占める。

 メーカースタッフに頼らず、社員自らが高い専門知識に基づき顧客のソリューションにつなげるノジマのコンサルティングセールスは、メディアからも注目されており、テレビ番組で何度も取り上げられた。このコンサルティングセールスをバネに、家電専門店事業は躍進を続けておる、ここ8年間で売上高は5割も増えている。

 アキレス腱になりそうなのが、キャリアショップだ。スマホの販売は、NTTドコモの「ahamo(アハモ)」に代表されるようにオンライン販売に移行しつつある。先日NTTドコモが販売店の1割(700店)もの閉鎖を打ち出し、ソフトバンクなども追随する見込みだ。ノジマはキャリアショップの落ち込みを家電専門店でカバーしきれるか、今後が注目される。

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