【独占】Uber EatsとOniGOが提携!戦略と狙いを両社事業トップに直撃!

2022/05/20 10:00
    湯浅 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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    フードデリバリーサービスで高まる「食品」ニーズ、両社が提携を決めた背景とは

    ――提携を決めた背景、また、どちらから提携の話を持ち掛けたのかを教えてください。

    梅下:どちらから持ち掛けた、ということはないのですが、1月下旬にユリアさんとお話しをさせていただいた際に、お互いが目指している方向性が一致したことで、自然と提携する運びになりました。

    当社としては、日本最大のフードデリバリーサービスのプラットフォーマーであるUber Eatsさんとの協働により、消費者の「今すぐ欲しい」というニーズを捉えたいと考えています。コロナ禍で、ECをはじめ、ネットスーパーなど自宅にいながら買物ができる需要が拡大しています。しかし、消費者の「今すぐ欲しい」というニーズに応えられるのは、私たちQコマース(Quick Commerce)の事業者だけです。ネットスーパーを使おうと思ったけど、今日は配送の枠が埋まっていて商品が届くのは明日以降になってしまうケースも少なくない。子育てや介護、仕事で忙しく暮らすなかで、生鮮品や日用品を『家にいながら今すぐ欲しい』と考える消費者は多いのです。UberEats Onigo

    ブロヴキナ:コロナ禍で、日本でもUber Eatsの利用者が増えているのですが、特に、グロサリーや、生鮮品に対するニーズがとても高まっているのを感じています。なぜなら、消費者がデリバリーサービスの利便性を理解し始めたからです。すでにスーパーマーケット(SM)ではマックスバリュ東海(静岡県)や成城石井(神奈川県)と提携を始めていますが、ユーザーの利用頻度が非常に高いです。

    特に、SMやドラッグストア(DgS)で食品を購入したユーザー数は直近3カ月間で、利用数が3倍に増えるなど、ニーズの高さを感じています。Uber Eats上でSMを利用する人は、①早く欲しい、②様々な選択肢が欲しい、③特定のブランドの商品が欲しい、と考えているケースが多いことが分かっています。OniGOさんは、これら3つのニーズのすべてを満たすサービスを展開していますので、今回の提携はUber Eats Japanにとっても期待ができる内容になっています。

    ――ネットスーパーやEC事業者と、OniGOとの違いを教えてください。

    梅下;やはり、「ダークストア」を有していて、ピッキング効率が非常に良い点でしょう。OniGOは「10分で届けられる」ことが強みで、約2分で10アイテムをピッキングすることが可能です。一般的なSMやDgSでピッキングをしようとすると、1時間30件ほどのオーダーが入る場合、従業員は2人以上必要です。一方、この「1時間に30件のオーダー」とは、我々のダークストアのピッカーが一人でこなす仕事量です。ダークストアならではの効率的なオペレーションを構築できている点は、「早く届けられる」という意味で、お客さまにとっても価値があるサービスだと思います。

    Uber Eats上でOniGOの商品の配達時間は「30分」を目標にしていますが、私たちのユーザーは必ずしも「10分」にこだわっていないことが分かっています。20~30分であれば待つことできるという方がほとんどです。20~30分ですと、外出の準備をして、リアル店舗で買物をして帰宅するまでにかかる時間よりも短時間で済みますしね。

    ブロヴキナ:OniGOさんのピッキングをはじめとした、技術的な専門性の高さも、提携を決めた理由の一つです。今後、在庫の連動などを含めた、我々のプラットフォームとのシステムインテグレーションを進めていき、シームレスなユーザー体験を届けていきたいです。

    OniGo
    ピッキング作業を行うOniGOのスタッフ

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    記事執筆者

    湯浅 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

    1996年生まれ。シンガポール出身。同志社大学グローバル・コミュニケーション学部卒業後、経済メディアで記者職に就く。フリーライターを経て、2021年12月ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。大学在学中に1年間のアメリカ・アリゾナ州立大学への留学を経験。好きな総菜はローストビーフ、趣味は練馬区を散歩すること。

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