“姿勢を整えるデニム”がヒット!バレエ用品のチャコットで女子がコスメとウェアを買う理由

2022/05/31 05:57
小内三奈
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オンワードグループに属する、バレエ・ダンス用品最大手のチャコット(東京都/馬場昭典社長)。コロナ禍で演劇、芸術領域は苦しい状況が続くが、ウィズコロナ時代の新しいエンターテイメントの在り方をさまざま模索し、東京・代官山に次世代型のグローバル・フラッグシップストア「チャコット代官山本店」をオープンしたことで注目される。バレエ文化とその技術を通じてチャコットは何を発信していくのか、代表取締役社長の馬場昭典氏に話を聞いた。

バレエ文化、バレエ技術を軸に、心身の美の大切さを伝えたい

チャコット代官山本店
チャコット代官山本店3階のレッスンウエア売場

 バレエを習う子どものレッスンウエアから世界で活躍する一流アーティストの衣装まで、バレエやダンスに関わる多彩な商品、サービスを展開するチャコットは、オンワードグループに属する創業70年の老舗企業である。スタジオの運営、公演・コンクールの協賛など幅広い活動を行い、芸術を愛する人々と伴走しながら、広く芸術文化を支え続けてきたことで知られる。

 だが、演劇、芸術領域は、コロナの影響を大きく受け厳しい状況が続いている。また人口減少に伴い、そもそも日本国内のバレエ人口自体も減少が続いている。昭和音楽大学バレエ研究所「日本のバレエ教育に関する全国調査」によると、2011年の40万人から2021年では25.6万人に。馬場昭典社長は、「ウィズコロナの時代にはエンターテイメントの在り方自体が変わっていくので、あえてコロナからの復活という言葉は使わない」と前置きした上で、「このような状況でも、芸術は人間の心に欠かせないものだと改めて気づけたことが最大の収穫」と話す。

 バレエ文化のすばらしさを知っているチャコットだからこそ、伝えられることはないか。馬場社長はコロナ禍に先立つ2018年の着任時、バレエを中心とした魅力とは何かを考えていったとき、これまで芸術文化を支え続けてきた専門性は維持しながら、「芸術とは、人生を芯から美しくするものである」と新たに捉え直すに至った。これを軸に置きながら、広く心身の美のために何ができるかを追求していく。

 バレエは敷居が高いというイメージもあるため、経営戦略として“特定の顧客”だけでなく、“多くの生活者”を対象とする「クローズからオープンへ」を掲げ、新たな戦略を次々と打ち出した。ブランドフィロソフィーは、“人生を、芯から美しく。”と設定。さらに、2020年には、長年携わってきた社交ダンス事業からの撤退を決めた。その上で、「祖業であるバレエで培ってきた技術を使って、バレエを知らない人にも広くチャコットを知ってもらいたい。結果として、バレエ自体にも興味を持っていただけるような、そんな循環をつくっていきたいと考えている」(馬場社長)

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