業績回復も売上・利益はコロナ前の水準には戻らず……ローソン2022年2月期決算

棚橋 慶次
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ローソン(東京都/竹増貞信社長)が4月11日に発表した2022年2月期連結決算は、営業総収入が6983億円(対前期比104.9%)、営業利益が470億円(同115.2%)、純利益179億円(同106.0%)と増収増益を果たした。ただし売上・利益のいずれも、コロナ前の2020年2月期の水準には戻らず、営業利益に関しては、計画に対してマイナス29億円となった。
国内コンビニ事業が苦しいのは王者のセブン-イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長:以下セブン-イレブン)も同様で、同社の業績もいまだコロナ前以下の水準にある。コロナ禍に伴う生活様式の変化により、ドラッグストアをはじめとした他業態に顧客を奪われたのが響いている。

ローソン

国内CVSは微増収、成城石井が好調

 2022年2月期連結決算で増収増益を果たしたローソン。各セグメントの営業総収入を見ていくと、主力の国内コンビニエンス事業は前期から10億円増の4354億円(同100.5%)の微増にとどまった。売上回復をめざした販売施策を展開したものの、上期はデルタ株・下期はオミクロン株まん延による外出自粛の影響が大きかった。

 一方で、成城石井事業は同55億円増の1086億円(同105.4%)、海外コンビニエンス事業は同186億円増の800億円(同130.4%)、エンタテインメント事業が同50億円増の629億円(同108.9%)、金融関連事業は同19億円増の336億円(同106.8%)と、いずれも増収額・増収率ともに国内コンビニエンス事業を上回っている。

 投資家目線からは、不振の主力国内コンビニエンス事業を親孝行のその他事業が支えてくれているように映る。

 続いてセグメント利益を見ていくと、国内コンビニエンス事業は前期から3億円減の283億円(同98.8%)と前年度を下回った一方で、成城石井事業は同9億円増の112億円(同108.8%)、海外事業は同15億円増の23億円(同289.4%)となった。そのほか、エンタテインメント事業は同5億円増、金融事業は同12億円増といずれも前年度を上回った。

 最終利益は、営業増益に加え、前年度の反動減(コロナに伴う特別損失)・出資先配当・店舗整理の減少により前年度を上回った。

冷食への注力・店内厨房の強化…
大変革実行の成果は?

 この1年、国内コンビニエンスは厳しい事業環境に置かれた。コロナ禍に伴い、宣言発令期間(まん延防止措置&緊急事態宣言)は2020年度で101日間、2021年度で251日間におよぶ。

 ウィズコロナでリモートワーク定着・デリバリー普及など生活様式が大きく変化する中、業種・業態を超えた顧客の奪い合いはますます熾烈を極めている。

 激しい競争を勝ち抜くべく、ローソンの国内コンビニエンスストア事業は大変革実行委員会のもとで12のプロジェクトを立ち上げ、日販改善と同時にサプライチェーン改革・脱炭素・働き方改革といった中長期課題に取り組んできた。

 日販に関しては、生活スタイル変化に合わせた店舗改装を積極的に進めると同時に、店内厨房拡充と商品カテゴリー刷新に取り組んだ。

 カギになるのは、まず冷凍食品だ。買物機会を減らし保存期間の長い食品を買い込む消費行動に伴い、冷凍食品需要は大きく伸びた。ニーズに対応すべく、ローソンでは冷食の商品点数を倍増させた。同時に、5000近い店舗を改装。ついで買いをねらい、総菜や弁当の売場のそばに背の低い冷凍ショーケースを配置した。お客の反応は上々で、冷凍食品のカテゴリー売上は前年比110%に達した。

 2番目が、店内調理の強化だ。8000を超える店舗に「まちかど厨房」を設置、カテゴリー売上前年比130%の成果につなげた。

 さまざまな取り組みの結果、客単価は対前期比102.5%と伸長したものの、人流抑制に伴う客数減(98.7%)が響き、日販の伸びは同101.1%にとどまった。

 その一方で、成城石井事業は前年の巣ごもり需要の反動減が懸念されたものの、ふたを開ければ好調に推移、伸びは鈍化したものの売上・利益ともに前年比プラスを確保した。海外事業では中国を中心に、現地パートナー企業とのメガフランチャイズ契約を軸とした出店を拡大、店舗数は4560に達した。

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