マンション共有部で冷凍パン販売 Store600 BAKERYと超小商圏の可能性

榎森 潤二
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冷凍パンを販売する「Store600 BAKERY」が好調

 いわば極小のセレクトショップであるStore600を展開する中で、「食事になるものを購入したい」「朝食用にパン屋さんのおいしいパンを買いたい」という声が聞かれたという。そこで新たに開発したのが、マンション共有部に冷凍筐体を置き、冷凍パンを1個から販売する「Store600 BAKERY」だ。取り扱うパンの種類は定番のクロワッサンや食パンのほか、イチゴパン、サツマイモパンなどの季節ものなど合わせて約20種類で、価格はどれも1個250円前後だ。

 正式リリース前の段階では東京23区内・100戸以上のマンションを対象に初期・月額費無料でトライアルを行い、「固定費用を頂かなくても、純粋にパンの売上だけで利益が出ている」(久保氏)ほどの売れ行きだという。3月18日からは正式サービスとして提供開始済みだ。

 この理由としては、冷凍パンの品質が向上し、レンジアップすることで焼きたてのような風味が楽しめるようになったことが挙げられる。さらに、1個から購入できることも大きな魅力になっているという。コロナ禍で冷凍食品全般に注目が集まる中で冷凍パンも一般認知が進んだが、通販などで購入すると一箱単位での購入になる場合が多く、家庭の冷凍庫では保管しきれない。その点、Store600 BAKERYであれば1個から、家族の好みに合わせて1個ずつ別々の種類のパンを購入することもできる。ユースケースとしては、夕方帰宅時に明日の朝食用のパンを家族分購入し、朝に温めて食べる場合が多いという。これも、マンションの共有部という必ず通過する場所に設置されているからこその使われ方だ。

 Store600 BAKERYに関してはコールドチェーンに強い物流会社とパートナーシップを結び、輸送・保管・補充を委託している。現在は不動産デベロッパーを中心にエントリーを募集しているところだ。

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